
「去勢(避妊)してから、うちの子がふっくらしてきた気がする…」
「手術のあと、フードは変えた方がいい?」
「量は減らす? どのくらい? おやつは?」
結論から言います。去勢・避妊後の犬は太りやすくなる傾向があるので、「フードの種類」より先に、「量」と「おやつ」の見直し、そして体重・体型の定期チェックを土台にしましょう。ヒルズ(フードメーカー)は、手術のあとはホルモンバランスの変化などで太りやすくなることがあり、対策は、避妊・去勢後用フードへの切り替え、おやつを減らす、食事量を減らす、と説明しています[4]。ロイヤルカナン(フードメーカー)の公式Q&Aは、術後は太りやすいので、手術前より15%ほど食事量を減らすことをすすめています[6]。ただし、個別の指導が動物病院からあれば、そちらが優先です。
この記事では、なぜ太りやすいのか、手術の時期と成長期のごはん、術後すぐの注意、量の決め方(環境省・学会・メーカーの計算の比べ方と、計算例)、フードを変えるかどうか、体型のチェック、太らせないコツ、太ってしまったときの考え方、手術前後にやることの順番までを、環境省・学会・メーカー・保険会社の資料をもとに、順番に整理します。猫の記事は猫の去勢・避妊後はフードを変える?にあります。
先に確認:自己判断せず、動物病院へ連絡した方がよいとき
- 手術前に、下痢・嘔吐がある、食べる量がいつもより少ないなど、いつもと違うサインがある(予約日当日でも、すぐ相談する)
- 術後に傷口を気にする、傷口が開いた、赤く腫れている、膿が出ている
- 術後に食欲が戻らない、吐く、ぐったりしている
- 持病があって、食事の量や種類に指示を受けている
- 本格的なダイエット(減量)を始めたい、体型がBCS5(肥満)に近い
1つ目と2つ目は、アニコム損保の獣医師監修の解説が、手術の延期や傷口の管理について注意している点です[7][8]。本格的なダイエットは獣医師の指導のもとで行うものと、環境省も示しています[1]。術後の食欲低下・嘔吐の具体的な基準(何時間で受診か)は、今回の資料では確認できていません。迷ったら、手術を受けた動物病院へ連絡しましょう。
この記事の読み方(順番に説明します)
- なぜ去勢・避妊後は太りやすいのか(太りやすい条件、肥満の心配)
- 手術の時期と、成長期のごはん
- 手術前〜術後すぐの注意
- 量の見直し方(3つの計算の比べ方、計算例)
- フードは変えるべきか
- 太ってきたかのチェック方法(BCS、記録のつけ方)
- 太らせないコツ
- 太ってしまったときの考え方
- 手術前後にやることの順番
- よくある質問
犬は去勢・避妊後に太りやすい?メーカー・保険会社・学会の説明
メーカーの説明:代謝の変化と、使われなくなったエネルギー
ヒルズの解説(メーカーの解説で、公的機関の資料ではありません)は、手術のあとは受ける前に比べてホルモンバランスが変化し、そのほかの要因もあって、太りやすくなることがあると言われている、と説明しています[4]。
| 手術 | ヒルズの説明(要約) |
|---|---|
| 去勢(オス) | 精巣を摘出するため男性ホルモンの分泌が抑えられ、代謝が変わって、体の維持に必要なエネルギーが減るため、以前と同じ食生活だと肥満になりやすいのではないかと言われている。生殖器に使われていたエネルギーが不要になることも、摂取カロリーオーバーの原因の1つとされる |
| 避妊(メス) | 卵巣と子宮を摘出するのが一般的で、性ホルモンの分泌が抑えられ、同様に代謝が変わって必要なエネルギーが減る。生殖器に使われていたエネルギーが不要になることも、原因の1つとされる |
ヒルズの書き方は「〜と言われている」「〜のではないか」で、メカニズムを断定してはいません。「必要なエネルギーが減る」という方向性として受け止めるのが無難です。
保険会社(獣医師監修)の説明:食欲の増進と、代謝カロリーの減少
アニコム損保の獣医師監修の解説は、避妊手術後は、ホルモンの影響で食欲の増進や代謝カロリー量の減少が見られ、肥満になることがあると説明し、体重の増加が見られる場合は、フードの量を調整したり、低カロリーのダイエット用フードに切り替えたりするとよい、としています[8]。去勢についても、手術後はホルモンバランスの変化で太りやすくなるので、運動を心がけて筋肉をつけたり、去勢後用のフードに切り替えたりして、体重管理に気をつけるよう書いています[7]。
学会の整理:避妊去勢の状態と手術の時期は、肥満などと関連しうる
AAHA(米国動物病院協会)の避妊去勢の時期についてのページは、がん、整形外科の病気、行動の問題、内分泌の病気、肥満、尿失禁などが、避妊去勢の状態と、手術を受けた年齢に関連している可能性があるとしています。同時に、最適な時期の正確なデータはまだ限られていて、研究が続いている、とも書いています[3]。「必ず太る」ではなく、「関連しうる」という書き方です。
ポイント:「必ず太る」わけではない
資料の書き方は、「太りやすくなることがある」「関連しうる」です。環境省も、パッケージの給与量は目安で、必要な量は季節や運動量、性別、避妊去勢の有無などによって変わるので、定期的に体重をはかって調節するよう呼びかけています[1]。手術前と同じ量のまま、観察せずに続けないことが大切です。
去勢・避妊後に重なりやすい「太りやすい条件」
ヒルズは、犬が太る原因として、次の5つを挙げています[5]。
| 原因 | ヒルズの説明(要約) |
|---|---|
| 過食 | 体重や年齢に合わない量を与え続けている |
| おやつの与えすぎ | 1日の総摂取カロリーの10%を超えている |
| 運動不足 | 散歩時間が短い、遊びの機会が少ない |
| 避妊・去勢後の代謝変化 | 必要なエネルギー量が減る |
| 加齢 | 基礎代謝が低下する |
アニコム損保の別の解説(犬のダイエット)も、加齢で運動量が減り、不妊手術で必要なエネルギーも減ること、子犬の頃からずっと同じ量・種類を与え続けると肥満につながることを挙げています[11]。手術という1つのきっかけだけでなく、年齢・運動・おやつが重なるのが実際のところです(筆者の整理です)。
肥満が心配な理由:関節・心臓・呼吸・皮膚
ヒルズは、犬の肥満は、関節疾患(体重で関節に負荷がかかる)、心臓病(心臓への負担)、呼吸器疾患(胸部・腹部・気道まわりの脂肪で呼吸がしにくくなる)、皮膚トラブル(しわが重なる部分に湿気がこもる)などを引き起こすことがある、と説明しています。さらに、肥満や過体重の犬は、標準体型の犬より寿命が短いという研究結果も報告されていると書いていますが、元の研究は示されていません[5]。アニコム損保の解説も、心臓の負担増や高血圧、換気障害、関節や靭帯への負担による骨関節炎や椎間板ヘルニアなどを挙げています[11]。
さらに、避妊手術について、アニコム損保の解説は、肥満の犬では内臓に脂肪がつくことで血管を結ぶのが難しく、出血のリスクが増える場合があると注意しています[8]。手術を受ける前の体型も、動物病院で確認しておきましょう。
手術の時期と、成長期のごはん|小型犬と大型犬で違う
手術の時期の目安
| 資料 | 時期の目安 |
|---|---|
| AAHA(学会) | 小型犬(成犬時の予想体重が約20kg未満=45ポンド未満)は、去勢は生後6か月、避妊は初回発情の前(5〜6か月)。大型犬(約20kg以上)は、去勢は成長が止まった後(おおむね9〜15か月)。大型の雌の避妊は5〜15か月の範囲で、病気のリスクと生活を見て決める[3] |
| アニコム損保(避妊) | 初回発情が起こる少し前の生後6か月ごろが望ましい。早すぎるとリスクが高く、発情後は乳腺腫瘍のリスクが高くなる。ただし発情の時期は個体差が大きく、手術直前に発情が来たら、1か月ほど延期することが多い[8] |
| アニコム損保(去勢) | 性成熟の始まる5〜7か月ごろ(乳歯が抜けて永久歯に生え変わる時期)に手術することが推奨されている。体重2kg未満の小さい子は、成長を待つ方が安心。監修の獣医師は生後半年以降、体重2kg以上を1つの目安にしている。手術のタイミングは獣医師の考えや成長による[7] |
AAHAの「約20kg」は、資料の「45ポンド」を筆者がkgに直した数字です(45ポンド=約20.4kg)。どの資料も、最終的には、かかりつけの動物病院と相談して決めるよう書いています[3][7][8]。手術の時期そのものの是非は、この記事では扱いません。
成長期のうちは、成長期用のフードを続ける
ロイヤルカナンの公式Q&Aは、避妊・去勢手術後も、成犬になるまでは成長期用の総合栄養食を主食にするよう書いています。成長期の長さは、超小型犬・小型犬が10か月(チワワ・ポメラニアンは8か月)、中型犬が12か月、大型犬が15か月までです。成長期が終わったら、徐々に混ぜながら1週間ほどかけて成犬用に切り替えます[6]。環境省の区分では、成長期は、生後50日から、小型犬が10か月ぐらい、中型犬が1年ぐらい、大型犬が1年半ぐらいです[9]。
つまり、小型犬を生後6か月ごろに手術した場合、手術のあとも、まだ成長期(成長期用フードの時期)が数か月続きます。ヒルズも、成長期と成長期を終えたあとでは必要なカロリーが違うので、注意するよう書いています[4]。子犬のフードの選び方は子犬のドッグフードの選び方をご覧ください。
注意:成長期の犬の量を、自己判断で大きく減らさない
環境省は、成長のために多くのカロリーを必要とする子犬に、「大きくなるのがイヤだ」と与える量を制限しないよう呼びかけています[1]。ロイヤルカナンの「手術前より15%ほど減らす」という目安は、成長期用の総合栄養食を主食にしたまま、との前提の記述です[6]。成長期の犬は、成長を妨げないよう、減らす量を動物病院に確認しましょう。成長期かどうかを問わない「15%減」の使い方は、今回の資料では確認できていません。
手術前〜術後すぐの注意|絶食、傷口、運動
手術前:体調と、体型を確認する
アニコム損保の去勢の解説は、病気の治療以外で手術をする場合は、健康な状態で行うのが基本とし、下痢や嘔吐がある、食べる量がいつもより少ないなど、いつもと違うサインがあれば、予約日当日であってもすぐに獣医師に相談して、手術を延期するよう書いています。トイ・プードルなどは、手術後1週間から10日ほどシャンプーやカットができないので、事前に済ませるとよい、ただし手術直前のトリミング予約は避ける、ともあります[7]。
手術当日:絶食・絶水の指示を守る
手術当日は、絶食・絶水を指示されることが多いとされています。全身麻酔のときに嘔吐して、食べ物が気管に入る(誤嚥)のを防ぐためです。どのくらい前から必要かは病院の指示を確認して、守るよう書かれています[7]。避妊の解説も、朝ごはんを抜いて、絶食の状態で病院へ行くとしています[8]。
術後:傷口を守り、病院の指示で運動を戻す
| 項目 | 資料の説明(要約) | 出典 |
|---|---|---|
| 入院 | 去勢は腹を開かない手術で、体への負担は避妊より少ない。避妊(開腹)は1泊入院が多く、腹腔鏡では日帰りの場合もある | [7][8] |
| 抜糸まで | 1週間から10日ほど(避妊の解説では1〜2週間)。傷口をなめないよう、エリザベスカラーや術後服を使う。傷口が汚れる状況(雨の日の散歩、泥はね)は避ける | [7][8] |
| 運動 | アニコム損保:抜糸までは過激な運動を避ける。通常の散歩や室内の生活は、特に制限する必要はない/ヒルズ:獣医師の許可が出たら散歩を再開し、通常の生活で問題がなければ、様子を見ながら適度に運動させる | [7][4] |
運動の戻し方は、資料の言い方が少し違います(アニコム損保は「通常の散歩は制限不要」、ヒルズは「獣医師の許可後に再開」)。手術を受けた病院の指示に従うのが確実です(筆者の整理です)。
術後すぐの食事(いつ、どのくらいの量から戻すか)は、犬については、今回の資料では確認できていません。手術後の食事の指示は、動物病院に確認してください。猫については、ヒルズが「通常の1/3〜半分程度から」と書いていますが、犬への当てはめは、資料からは判断できません。
量の見直し方|環境省・学会・メーカーの3つの計算で「目安」をつかむ
まず、目分量をやめて、計って与える
環境省は、パッケージの給与量は目安で、必要な量は季節や運動量、性別、避妊去勢の有無などによって変わるので、定期的に体重をはかって調節するよう示しています[1]。ヒルズも、避妊・去勢後の犬は、1日に必要なカロリーを計算したうえで食事量を決めることが望ましく、おやつのカロリーも1日の必要カロリーに含めるよう書いています[4]。
1. 環境省(2018年版):RER=体重×30+70、DER=RER×係数(犬は1.6の例)
環境省のガイドライン(2018年版)は、RER(安静時エネルギー要求量、kcal)=体重(kg)×30+70(体重2〜45kgの場合のみ計算可能)、1日あたりのエネルギー要求量(DER)=RER×係数という簡易式を示しています。計算例は体重5kgの犬(避妊去勢済み)で、RER=220kcal、犬の係数1.6をかけて352kcalです。係数は成長段階や活動量によって変わるので、詳しくは獣医師に相談するよう書かれています[1]。なお、改訂前の版には、体重の0.75乗に係数(離乳期274、成長中期200、成犬132)をかける式と参考値の表が載っていましたが、現行の2018年版では、この簡易式に変わっています[13]。
2. 学会(AAHA):RER × ライフステージ係数(去勢済みの成犬は1.4〜1.6)
AAHAの2021年の栄養・体重管理ガイドラインは、RER(安静時エネルギー量)=体重(kg)の0.75乗 × 70を出発点に、必要量(MER)=RER × ライフステージの係数で求める方法を示しています。犬の係数は、去勢・避妊済みの成犬が1.4〜1.6、していない成犬が1.6〜1.8、運動しない・肥満になりやすい犬が1.0〜1.2、減量中が1.0、成長期の子犬は4か月未満が3.0・4か月以上が2.0です。室内で動かない犬は、表の値より少なくてよい場合があること、調整は体重とBCSを見ながら行うことも書かれています[2]。
3. ヒルズ:同じRER式で、去勢・避妊済みの成犬は係数1.6
ヒルズのダイエット解説も、RER=70×体重(kg)の0.75乗を使い、ライフステージ係数の例として、避妊・去勢済みの成犬が1.6、運動量が少ない・肥満になりやすい犬が1.4、減量中が1.0を挙げています。体重5kgのトイ・プードルで、RERは約234kcal、避妊・去勢済みの成犬(係数1.6)の目安は約374kcalです[5]。ヒルズの記事は、本文で「係数を1.2とすると」と書きながら、計算は1.6で行っています。この記事では、一覧表の係数(1.6)と、その計算結果(374kcal)に従いました[5]。
3つを並べると
同じ体重で並べました。AAHAとヒルズの列は、上の計算式を当てはめた筆者の計算で、数字そのものは資料にありません。
| 体重 | 環境省(2018年版) RER×1.6(kcal/日) | AAHA・去勢済み成犬 (RER×1.4〜1.6) | ヒルズ・去勢済み成犬 (RER×1.6) |
|---|---|---|---|
| 5kg | 352(環境省の計算例) | 約328〜375 | 約374 |
| 10kg | 約592 | 約551〜630 | 約630 |
| 20kg | 約1,072 | 約927〜1,059 | 約1,059 |
※環境省の5kgは同省の計算例の数字、10kgと20kgは同じ式(体重×30+70、係数1.6)を当てはめた筆者の計算です。環境省の計算例は、避妊去勢済みの犬が対象です[1]。AAHAは係数1.4と1.6、ヒルズは係数1.6を、RER(体重の0.75乗×70)にかけた筆者の計算です[2][5]。
環境省の計算例(352kcal)、AAHA(約328〜375)、ヒルズ(約374)は、5kgなら約330〜375kcalの範囲に収まります(筆者の比較です)。なお、ロイヤルカナンは「手術前より15%ほど減らす」という目安を示しています[6]。どの出典も「出発点」で、実際の量は、体重とBCSの変化を見ながら少しずつ調整するよう書かれています[1][2]。
具体例で確認:フードは何gか
以下の例では、フードのカロリーを「100gあたり380kcal」と仮に置きます。ヒルズは、一般的な成犬用フードは100gあたり350〜400kcal程度としています[5]。ただし、380kcalは説明用の仮の数字で、実際は袋の表示(kcal/100gなど)で必ず確認してください。
| 例 | 考え方 | 結果 |
|---|---|---|
| 例1 5kg・避妊去勢済みの犬(環境省の計算例、係数1.6) | 352kcal ÷ 3.8kcal/g | 約93g/日 |
| 例2 手術前に100g与えていた場合、15%減(ロイヤルカナンの目安) | 100 × 0.85 | 約85g/日(15g減) |
| 例3 5kg・去勢済み成犬(AAHA 1.4〜1.6) | 328〜375kcal ÷ 3.8 | 約86〜99g/日 |
| 例4 おやつの上限 (ヒルズ・ロイヤルカナンは10%、環境省は20%以内) | 352kcal × 10% / × 20% | おやつは約35kcal以内(10%)、環境省の上限なら約70kcal |
| 例5 おやつ30kcal(仮)を食べた日 | 352 − 30 = 322kcal ÷ 3.8 | 主食は約85g(例1の93gから約8g減らす) |
| 例6 食事を3回に分ける | 93g ÷ 3 | 1回あたり約31g |
おやつの上限は、ヒルズ[5]・ロイヤルカナン[6]が10%以内、環境省が1日に必要なカロリーの20%以内[9]で、資料により異なります。「与えた分だけフードを減らす」は環境省の記述です[1]。例の数字は、各資料の考え方に仮の数字を当てはめた筆者の計算です。少なめの10%を目安にしたのは、筆者の判断です。
注意:この値は「正解」ではなく出発点
フードは変えるべき?|資料によって言い方が分かれる
| 資料 | 言っていること |
|---|---|
| ヒルズ(メーカー) | 避妊・去勢後用の専用フードに切り替える、おやつを減らす、食事量を減らす、が肥満予防策。専用フードを使うなら、パッケージの量を参考に[4] |
| ロイヤルカナン(メーカー) | 成犬になるまでは、成長期用の総合栄養食を主食に。術後は太りやすいので、手術前より15%ほど食事量を減らす。食欲旺盛で調整が難しいときは、ウェットフードの併用で満腹感を得てもらえる[6] |
| アニコム損保(獣医師監修) | 体重が増えたら、フード量の調整や、低カロリーのダイエット用フードへの切り替え。去勢後用のフードへ切り替える方法もある[7][8] |
| 環境省 | ライフステージに合ったフードを。切り替えは犬の状態を見ながら1〜2週間かけて割合を増やす[9]。軽度〜中度の肥満は量を減らして体重を見る(後述)[1] |
つまり、去勢後用フードが必須とは、今回の資料のどれも言っていません。メーカー・保険会社は切り替えを選択肢に挙げていますが、メーカーの記事は自社製品を扱う立場からの見解です。どちらにしても、量の管理が土台で、フードの切り替えは、体重の変化を見て、獣医師と相談しながら決めるのが無難です(筆者の整理です)。
切り替えるときの手順と、袋で見るところ
- 一度に全部変えない。環境省は、食べ慣れていないフードに急に切り替えると、吐いたり下痢をしたりすることがあるので、犬の状態を見ながら1〜2週間かけて割合を徐々に増やすよう呼びかけています[9]。手順はドッグフードの切り替え方をご覧ください
- 袋の「目的」が総合栄養食か、成長段階が合っているかを確認。見分け方は犬の総合栄養食とは?、袋の読み方はドッグフードの原材料・成分の見方
- カロリー(kcal/100g)を確認。ヒルズは、一般的な成犬用フードは350〜400kcal/100g程度、ダイエット用フードは280〜340kcal/100g程度に設定されているものが多く、同じ量を食べても摂取カロリーを抑えられる、と説明しています[5](メーカーの説明です。製品ごとに違うので、袋の表示で確認)
- ダイエット用のフードは、食物繊維が適切に配合されていると、満足感を得やすいとヒルズは書いています。ただし、腎臓病などの持病がある場合は、体重管理用フードを自己判断で与えず、獣医師が指定したフードを使うよう注意しています[5]
食欲旺盛で量を減らしづらいとき:ウェットの併用と、低カロリー食材のかさ増し
ロイヤルカナンは、食欲旺盛で食事量の調整が難しいときは、ウェットフードを併用すると満腹感を得てもらえる、と説明しています[6](同社の製品について、成長期用の総合栄養食の記述です)。ヒルズは、食事量を減らすとストレスを感じる場合の方法として、キャベツやもやし(水分と食物繊維が豊富)、ささみ(高たんぱく・低脂肪)でかさ増しすることを挙げ、次の3点を守るよう書いています[5]。
- 生野菜は消化不良を起こしやすいので、加熱して細かく刻む
- 味付けをしない(塩分や油分を加えない)
- 栄養バランスを崩さないよう、1日の総摂取カロリーの10%以内に抑える
また、ヒルズは、玉ねぎ・ねぎ類・にんにく・ぶどう・レーズン・チョコレートは犬に有害なので与えてはいけない、アボカドも脂肪分が多く、種や皮を誤食する危険があるので避けるよう注意しています[5]。環境省の改訂前の版は、同じフードに犬用のトッピングやふりかけを混ぜる方法も、フードに飽きたときの工夫として挙げています[13](現行の2018年版にはありません)。
太ってきたかのチェック|体重だけでなく、BCSで見る
体重だけでは判断できない
ヒルズは、犬は骨格や筋肉量に個体差があり、体重だけでは判断できないので、体重と体型をあわせて確認するよう書いています。一般的には、適正体型だったときの体重から15%以上増えている場合は、過体重の可能性があるとされています。ただし体重だけでは判断できないので、BCSもあわせて確認するよう添えられています[5]。たとえば、適正体重5kgの犬が5.75kg以上になっていたら、確認のきっかけになります(15%増の筆者の計算です)。
環境省の犬のBCS(5段階)
| BCS | 状態 | 体の特徴(環境省の記述を要約) |
|---|---|---|
| 1 | 痩せ | 肋骨・腰椎・骨盤が外から容易に見える。触っても脂肪が分からない |
| 2 | やや痩せ | 肋骨が容易に触れる。腰のくびれが顕著 |
| 3 | 理想的 | 余分な脂肪なしに、肋骨が触れる。上から見て腰のくびれ、横から見て腹部の吊り上がりがある |
| 4 | やや肥満 | 脂肪はやや多いが肋骨は触れる。腰のくびれは見られるが顕著ではない |
| 5 | 肥満 | 厚い脂肪におおわれて肋骨が容易に触れない。腰のくびれはほとんどない。腹部が垂れ下がることもある |
ヒルズは、BCSで確認する3つのポイントを、肋骨(薄い脂肪に覆われて触ると骨の位置が分かる状態が理想)、ウエスト(真上から見て腰のくびれが、なだらかな輪郭をしているのが理想)、腹部の吊り上がり(横から見て、お腹が胸のラインより上に引き締まっているのが理想)としています[5]。学会(AAHA)のBCSは9段階で、5段階(環境省・ヒルズ)とは数字の意味が違います。動物病院で「BCSはいくつ」と言われたら、どちらの段階かを確認しましょう(これは筆者の注意で、犬のBCSの9段階の中身は、今回の資料では確認していません)。
記録のつけ方:手術前の体重を基準に
ロイヤルカナンは、手術後は4週間ごとに体重を測り、急に増えすぎていないかを確認するとよいとしています[6]。記録する項目の例を表にします(項目は筆者の整理です)。
| 記録する項目 | ポイント |
|---|---|
| 体重 | 手術前の体重を最初の行に。4週間ごとなど、頻度と条件を決めて |
| 体型(BCS・写真) | 肋骨の触れ方、上と横からの見た目。同じ角度で撮る |
| 1日のフードの量(g) | 計った量。変えた日付も書く |
| おやつ・ごほうび | 誰が何をあげたか。カロリーも |
| 散歩・運動 | 時間と内容。急に増やしすぎない |
太らせないコツ|おやつ・食事時間・散歩・家族・多頭飼い
1. おやつは「与えた分だけ主食を減らす」
環境省は、おやつのカロリー表示を確かめて、与えた分だけフードを減らすよう呼びかけ[1]、おやつは1日に必要なカロリーの20%以内に抑えることが大切としています[9]。ヒルズ・ロイヤルカナンは10%以内です[5][6]。ヒルズは、おやつは禁止する必要はなく、1日の総量を決めて与えること、ジャーキーやビスケット、歯磨きガムなどは少量でもカロリーが高いことが多いので、小さく切って1回の量を減らす、低カロリーの商品に替える工夫ができる、としています[5]。ロイヤルカナンも、ビスケットやジャーキーは、1つを細かくカットして複数回に分けて楽しめる、と書いています[6]。
なお、フードメーカーのいなばペットフードも、よくあるご質問で、おやつは主食の栄養バランスを損なわないために、1日に必要な総エネルギー量の約20%以内を上限としています。犬種・猫種や体重、普段の生活で必要な総エネルギー量は違うので、一般的な1日のエネルギー量の20%を上回らないように、パッケージの目安量を設定している、と説明しています[12](フードメーカーの公式サイトの記述で、公的機関の資料ではありません)。環境省の20%と同じ水準です。
2. 家族で、1日分を決めて共有する
ロイヤルカナンは、家族の1人からもらうおやつは少量でも、家族全員の量を足したら、思っていたより多くのおやつを食べているケースがあるので、1日のおやつ量を決めておくとよいとしています[6]。環境省の改訂前の版のQ&Aも、「フードに飽きる」背景に、家族の誰かが人の食事や味の強いおやつを与えていることが原因になっているケースがあると指摘していました[13]。
3. 食事時間を長くして、満足感を高める
アニコム損保の犬のダイエットの解説は、満腹感が得られないと、盗み食いや無駄吠えなどの問題行動が起こりやすくなる可能性があるとして、食事時間を長くするなどの工夫を挙げています[11]。環境省の改訂前の版は、減量のときの空腹感を抑えるために、1日量を3〜4回に分けて与える方法を示していました[13](現行の2018年版にはありません)。
4. 散歩を、少しずつ増やす
ヒルズは、ダイエットのための運動は、日々の散歩を少しずつ増やしつつ、室内でもできる遊びを組み合わせるのが効果的としています。散歩の時間と距離は、いきなり増やさず、1〜2週間かけて段階的に延ばすのが基本で、急に増やすとケガや体調不良のリスクが高まります。たとえば、1日15分の散歩を2回している場合は、まず1回を20分に延ばし、慣れたら25分にする、という例を挙げています[5]。
| 体格 | 1日の散歩の一般的な例(ヒルズ) |
|---|---|
| 小型犬(チワワ、トイ・プードルなど) | 合計30分〜1時間 |
| 中型犬(柴犬、コーギー、ビーグルなど) | 合計1時間〜1時間半 |
| 大型犬(ラブラドール、ゴールデンなど) | 合計1時間半〜2時間程度 |
出典:ヒルズ[5]。ヒルズは、犬種や体格だけで決めず、現在の散歩時間を基準に少しずつ延ばすこと、肥満の程度や関節への負担を考えて獣医師と相談することを添えています。息が激しく上がる、歩くのを嫌がる、足を引きずるなどの変化があれば中止、とも書いています。
雨の日の室内運動として、ヒルズは、滑らない床でのおもちゃの引っ張りっこ、ボールを軽く投げて持ってこさせる、おもちゃを隠して探させる、「おすわり・ふせ」などの指示を挙げています。階段の上り下りは、ダックスフンドやコーギーなど短足種には適していません[5]。
5. ねだられたとき
去勢・避妊後は食欲が増えやすい(アニコム損保)[8]ので、ねだられたらその都度あげる形にはせず、食事の回数、おやつの総量、散歩や遊びで応える形にすると、量を守りやすくなります(この言い換えは筆者の整理です)。
6. 多頭飼いのとき
環境省のQ&Aは、成長段階の違う犬が一緒のときの管理として、フードを与える場所を変える、子犬はケージの中で食べさせて食べ終わったらすぐ片付ける、時間をずらすといった工夫を挙げています[10]。1頭だけ別のフードにしたいときも、食事の時間や場所を分けて、他の犬が食べている場所に近づけないようにコントロールする、という記述が、改訂前の版にありました[13]。ロイヤルカナンは、先住犬の食事が成犬用の総合栄養食だと、そればかり食べていると成長期に必要な栄養をとりきれないおそれがある、としています[6]。
すでに太ってきたときの考え方|急に減らさず、まず病院で相談
環境省の改訂前の版が示す、軽度〜中度の肥満の目安(現行の2018年版にはありません)
環境省の改訂前の版は、本格的なダイエットは獣医師の指導のもとで行うものとしたうえで、軽度〜中度の肥満なら与えるフードの量を通常の30〜40%減らして体重の変化を見る、1週間で体重が1〜3%減るくらいのペースで徐々に減らすのが適当、空腹感を抑えるために1日量を3〜4回に分ける、と説明していました。40%以上減らす急激なダイエットは体に悪い影響を与える危険があるとも注意しています[13]。現行の2018年版には、これらの数字は載っておらず、「本格的なダイエットが必要な場合には、必ず獣医師の指導の下で行う」とされています[1]。
ヒルズの目安:1週間に1〜2%減
ヒルズは、減量のペースを1週間あたり体重の1〜2%減が目安としています。過剰な食事制限や運動量の増加は、体にも精神にも大きな負担を与えるので控えるよう書いています。やってはいけない方法として、フードを大幅に減らす、自己流の手作りフードを食べさせる、急に運動量を増やす、体重だけを基準にする、体質に合わないダイエットをするを挙げています[5]。環境省の改訂前の版(週1〜3%)より、やや緩やかな範囲です。
| 例 | 考え方(資料の目安を当てはめた筆者の計算) | 結果 |
|---|---|---|
| いま1日120g与えている | 30〜40%減(×0.6〜0.7・環境省の改訂前の版) | 約72〜84g |
| 体重6kg | 週に1〜3%(環境省の改訂前の版)/1〜2%(ヒルズ) | 1週間に約60〜180g/約60〜120g |
| 減らした72〜84gを、1日3回に分ける | 72÷3、84÷3 | 1回あたり約24〜28g |
※環境省(改訂前の版)・ヒルズの目安に、仮の数字を当てはめた計算例です。個々の犬に合う量は、獣医師が決めます。
学会とヒルズの考え方:減量では、係数を下げる
AAHAの係数は、減量中の犬が1.0です。去勢・避妊済みの成犬(1.4〜1.6)より低く設定されています[2]。ヒルズも、減量中の係数を1.0とし、ダイエットの場合は目標体重を基に計算することもある、と書いています[5]。ただし、これらを家庭で自己流に当てはめず、獣医師と目標体重・計画を決めるのが安全です。ヒルズは、食事や運動を見直しても体重が減らない場合や、持病がある場合は、獣医師の指導のもとでダイエットを行うよう勧めています[5]。犬のダイエット全般は犬のダイエットはフードで変わる?にもまとめています。
手術前後にやることの順番|チェックリスト
資料の内容を、時間の順に並べ直した、筆者の整理です。手術を受ける動物病院の指示があれば、そちらが優先です。
| 時期 | やること | 出典 |
|---|---|---|
| 手術の相談 | 時期を獣医師と相談(小型犬・大型犬で目安が違う)。体型(BCS)と体重を確認。成長期のフードをいつまで続けるかも確認 | [3][6][7][8] |
| 手術前 | 体重を測って記録(基準)。体型の写真を撮る。下痢・嘔吐・食欲低下があれば延期の相談。絶食・絶水の時間を確認して守る | [6][7][8] |
| 帰宅後〜抜糸 | 傷口をなめさせない(カラー・術後服)。過激な運動は避ける。食事の再開と量は、病院の指示に従う | [7][8] |
| 抜糸後 | 病院の許可で、散歩を通常に戻す。フードの量を、目分量でなく、グラムで決める(出発点は上の3つの計算) | [4][1][2][5] |
| 最初の数週間 | 4週間ごとなど決めて体重を測る。おやつは主食から引く、家族で量を共有。増える傾向なら量・おやつを見直し | [6][1][5] |
| 成長期が終わったら | 成犬用へ、徐々に切り替え(ロイヤルカナンは1週間ほど、環境省は1〜2週間)。量は体重とBCSで再調整 | [6][9] |
| その後 | 定期的に体重・BCSを記録。散歩を毎日。続けて増える、BCS4〜5に近づくなら獣医師に相談 | [1][5] |
手術前に「前もってフードを減らしておく」べきかは、今回の資料では確認できていません。手術前の食事の指示(絶食の時間など)は、動物病院の指示に従ってください。
犬の去勢・避妊後のフード:よくある質問
Q. 手術の後、いつからフードを変えますか?
決まった時期は、今回の資料では確認できていません。まず、成長期のうちは成長期用のフードを続けます[6]。体重が増え始めたら、量の調整や、低カロリーのダイエット用フードへの切り替えを検討する、という流れがアニコム損保の解説にあります[8]。切り替えるなら、環境省が示すとおり、1〜2週間かけて割合を徐々に増やします[9]。時期は、獣医師と相談して決めてください。
Q. 「去勢後用」のフードでないとダメですか?
必須とは、今回の資料のどれも言っていません。メーカー・保険会社は切り替えを選択肢に挙げ[4][7]、ロイヤルカナンは、成犬になるまでは成長期用のフードを続けたうえで量を減らす方法を示しています[6]。まずは量の見直しと、体重・体型のチェックから始めましょう。
Q. 手術のあと、どれくらいの期間で太り始めますか?
太り始める時期を示した資料は、今回確認できていません。ロイヤルカナンは、手術後は4週間ごとに体重を測るよう書いています[6]。だからこそ、手術前の体重を基準に、定期的に記録しておくことが役立ちます。
Q. オスとメスで違いますか?
ヒルズは、オスもメスも、手術で性ホルモンの分泌が抑えられ、代謝が変わって必要なエネルギーが減る、と説明しています[4]。オスとメスの太りやすさを比べた資料は、今回確認していません。手術の中身は違い、去勢は腹を開かず、避妊は開腹(腹腔鏡の場合もある)です[7][8]。
Q. 小型犬と大型犬で、気をつけることは違いますか?
手術の時期の目安は違います(AAHA:小型犬は6か月ごろ、大型犬は成長が止まった後)[3]。成長期の長さも違い、小型犬は10か月ごろ、大型犬は15か月ごろまで、成長期用のフードが目安です[6]。大型犬のサプリ(カルシウム)の注意は犬の総合栄養食とは?をご覧ください。手術後に太りやすい度合いが、体格で違うかは、今回の資料では確認していません。
Q. おやつはやめるべきですか?
やめる必要はありませんが、カロリー表示を確認し、与えた分だけフードを減らします[1]。上限は1日に必要なカロリーの10〜20%以内です(ヒルズ・ロイヤルカナンは10%、環境省は20%)[5][6][9]。上の例4・例5を参考にしてください。
Q. 食べ物をねだって吠えます。あげてもいいですか?
去勢・避妊後は食欲が増えやすいとされます[8]。満腹感が得られないと問題行動が起こりやすくなる可能性があるので、食事時間を長くする、1日の量を3〜4回に分けるなどの工夫が挙げられています[11][1]。ねだったらその都度あげるのではなく、決めた量の中で、回数と遊びで応えましょう。食べない・食欲が落ちたときは犬がドッグフードを食べない原因を参考にしてください。
Q. 室内飼いで運動が少ないのですが?
ヒルズは、運動不足(散歩時間が短い、遊びの機会が少ない)を犬が太る原因に挙げ、雨の日は室内での遊びを組み合わせるよう提案しています[5]。AAHAの係数でも、運動しない・肥満になりやすい犬は1.0〜1.2と、去勢済みの成犬(1.4〜1.6)より低く設定されています[2]。
Q. 高齢になってから、手術した・太ってきた場合は?
高齢で手術を受けた犬の食事を扱った資料は、今回確認できていません。ヒルズは、加齢による基礎代謝の低下を、犬が太る原因の1つに挙げています[5]。高齢犬のフードはシニア犬のドッグフードをご覧ください。
Q. 体重がどれくらい増えたら、受診した方がいいですか?
受診の目安になる増加量(◯kg)は、今回の資料では確認できていません。ヒルズは、適正体型だったときの体重から15%以上増えていると、過体重の可能性がある、ただし体重だけでは判断できずBCSも確認、としています[5]。本格的なダイエットは獣医師の指導のもとで、と環境省も示しています[1]。迷ったら早めに相談しましょう。
Q. 肥満の犬は、手術を受けられませんか?
アニコム損保の解説は、肥満の犬は内臓に脂肪がつき、避妊手術で血管を結びにくくなって出血リスクが増える場合がある、と注意しています[8]。受けられるかどうかの判断は、動物病院の診察で決まります。手術前から体型が気になるときは、事前に相談しましょう。
Q. 猫の去勢・避妊後と、同じ考え方ですか?
量を計って与える、おやつは主食から引く、BCSを定期チェックする、という土台は共通ですが、係数や資料が違います。猫は猫の去勢・避妊後はフードを変える?をご覧ください。
まとめ|量・おやつ・体型チェックが土台。成長期は成長を妨げずに、減量は獣医師と
- 去勢・避妊後は、代謝の低下や食欲の増加で太りやすくなることがある(メーカー・保険会社の説明)。ただし必ず太るわけではなく、手術前と同じ量のまま観察しないことが問題
- 手術の時期は犬の大きさで違う(AAHA:小型犬は6か月ごろ、大型犬は成長が止まった後)。成長期のうちは成長期用のフードを続ける。成長期の犬の量は、自己判断で大きく減らさない
- 手術前は体調と体型を確認、当日は絶食の指示を守る。術後は傷口をなめさせず、食事の再開と運動は病院の指示で
- 量は計って与える。環境省(係数1.6の計算例)・AAHA・ヒルズの計算は、5kgなら約330〜375kcal。ロイヤルカナンは手術前より約15%減。どれも出発点にすぎない
- 去勢後用フードは必須ではない。切り替えるなら1〜2週間かけて。食欲旺盛なら、ウェット併用や、加熱・無味付けの野菜のかさ増し(10%以内)も選択肢
- 手術前の体重を基準に、4週間ごとなど決めて体重・BCSを記録。適正体重から15%以上増えたら過体重の可能性
- おやつは主食から引き、家族で量を共有。散歩は1〜2週間かけて少しずつ増やす
- 太ってきたら、40%以上の急な減量は危険。獣医師と目標体重・計画を決める
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- ドッグフードの給餌量の計算方法は?体重別の早見表と自動計算
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- 猫の去勢・避妊後はフードを変える?太りやすさと量の見直し方
本文の[1]〜[13]をクリックすると、下の番号にジャンプします。各項目から、元の資料に移動できます。
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)第4章「体調管理について」(エネルギー要求量の計算式と計算例、犬のBCSと体型、おやつの目安、体重測定) 第4章(PDF)
- AAHA「2021 AAHA Nutrition and Weight Management Guidelines」の「Weight Reduction in the Obese Pet」(2021年6月22日。エネルギー必要量の計算式とライフステージ係数(Box 1)、犬と猫の係数)。aaha.org(米国の獣医学会のガイドラインで、英語です。日本の公的機関の資料ではありません)
- AAHA「When Should I Spay Or Neuter My Dog or Cat? Age & Timing Guide」(2019年6月21日公開、2026年2月5日更新。犬の大きさ別の手術時期、避妊去勢と肥満などの関連)。aaha.org(米国の獣医学会の解説で、英語です。日本の公的機関の資料ではありません。ページに広告が含まれます)
- ヒルズ(日本ヒルズ・コルゲート)「避妊・去勢後のドッグフードは何がおすすめ?」(2023年12月21日。太りやすくなる理由、肥満予防策、運動)。hills.co.jp(フードメーカーの公式ページです。公的機関の資料ではありません)
- ヒルズ「犬のダイエット方法|ダイエットフードの選び方と食事・運動のコツ」(2026年8月31日。太る原因、肥満のリスク、RERと係数、おやつ、かさ増し、フードの選び方、散歩)。hills.co.jp(フードメーカーの公式ページです。公的機関の資料ではありません)
- ロイヤルカナン ジャポン「子犬期のフードQ&A」(避妊・去勢手術後の食事、成長期の長さ、ウェットの併用、おやつの量)。royalcanin.com(フードメーカーの公式ページです。公的機関の資料ではありません)
- アニコム損害保険「犬の去勢手術はいつすればいい? メリットやデメリットは?【獣医師監修】」(2024年12月4日更新。監修:箱崎加奈子獣医師)。anicom-sompo.co.jp(ペット保険会社が公開する、獣医師監修の記事です。公的機関の資料ではありません)
- アニコム損害保険「女の子の犬を迎えたら! 考えておきたい「避妊手術」|費用やメリット・デメリットまで徹底解説!【獣医師監修】」(2024年11月20日更新。監修:石川美衣獣医師)。anicom-sompo.co.jp(同上)
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)第2章「市販のペットフードについて」(成長期の区分、フードの切り替え方) 第2章(PDF)
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)第5章「Q&A」(ライフステージの違う犬猫の多頭飼い) Q&A(PDF)
- アニコム損害保険「犬のダイエット|適正体重やフード、肥満予防について解説【獣医師監修】」(2024年12月11日更新。監修:箱崎加奈子獣医師)。anicom-sompo.co.jp(同上)
- いなばペットフード株式会社「よくあるご質問」(総合栄養食・おやつ・総合栄養食タイプの定義、ちゅ~るの与え方と上限、缶詰・パウチの保管、賞味期限) inaba-petfood.co.jp(フードメーカーの公式ページです。公的機関の資料ではありません)
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」改訂前の版(犬のカロリー係数の表、肥満のダイエットの目安、飽きるときの工夫、多頭飼いのQ&A) 体調管理のページ(PDF)、Q&A(PDF)(2018年に改訂される前の版。現行版ではありません)
- 環境省のガイドライン(2018年版)には、避妊去勢済みの犬と猫を例にした計算式があります(本文)。そのうえで、去勢・避妊後の犬に特化した日本の公的資料の記述は、今回確認できていません。環境省は、必要な量は避妊去勢の有無などによっても変わる、と書いています
- 環境省のガイドラインは2018年に改訂されています。[1][9][10]は現行の2018年版です。体重の0.75乗に係数(132など)をかける式と表、肥満のダイエットの数字(30〜40%減など)、飽きるときの工夫、1頭だけ別のフードにするときの工夫は、改訂前の版の内容で、現行版には載っていません([13])
- 術後すぐの食事(いつ・どのくらいの量から戻すか)、術後の食欲低下・嘔吐で受診する具体的な基準、太り始める時期、オスとメスの太りやすさの比較、体格による太りやすさの違い、高齢での手術後の食事、受診の目安となる体重の増加量、手術前に量を減らしておくこと、AAHAの犬の9段階BCSの内容は、今回の資料では確認できていません
- ヒルズが書く「肥満の犬は寿命が短いという研究結果」、「15%以上増えると過体重の可能性」は、ヒルズの記述で、元の研究・出典は確認していません。ヒルズ・ロイヤルカナンはフードメーカーで、自社製品を扱う立場の資料です
- ヒルズのダイエット解説は、本文に「係数を1.2とすると」とありながら計算が係数1.6で行われています。この記事は、係数の一覧表(1.6)と計算結果(約374kcal)に従いました
- ロイヤルカナンの「手術前より15%ほど減らす」は、同社のQ&A(成長期用フードの記述)です。成長期の犬への当てはめ方、他社製品への当てはめは確認していません
- AAHAの計算式(RER=体重の0.75乗×70、係数)と係数は、同学会のガイドラインに載っているものです。AAHA・ヒルズの列の数字、環境省・AAHA・ヒルズの比較(5kgで約330〜375kcal)、環境省の10kg・20kgの値、「約20kg」(45ポンドから換算)は筆者の計算です。ガイドラインの全文や引用元の研究は読んでいません
- 「5kgで約93g」「約85g」「約86〜99g」「おやつ約35kcal」「主食約85g」「120gから72〜84g」などは、各資料の目安に、仮の「100gあたり380kcal」などを当てはめた計算例です。資料にある数字ではありません
- 「1〜2割の範囲で量を直す」「去勢後用フードは必須ではない」の整理、おやつを少なめにする判断、運動の戻し方の整理、手術前後の順番表、記録する項目の表は、筆者の整理・判断です
- 病気の診断・治療は獣医師が行うものです。この記事は、診断をするものではありません
- いなばペットフードのおやつの上限(1日に必要な総エネルギー量の約20%以内)は、同社の公式サイトのよくあるご質問によるものです。同社の商品ごとの成分・価格・口コミは、この記事では扱っていません
この記事を書いた人
大手ペットフードメーカーでEC(通販)の責任者を務めている運営者が、公的な資料や学会・メーカー・保険会社の資料をもとにまとめました。社名や特定の商品をすすめる目的ではありません。健康に不安があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。