
「子犬のドッグフードは、いつまでふやかせばいいの?」
「お湯の温度や時間は?」
「迎えたばかりで、固いままだと食べない…」
結論から言います。ふやかすのは、離乳が終わる生後7〜8週頃までが目安です。ロイヤルカナンの公式Q&Aでは、この時期以降はドライフードをふやかす必要はないとされています[2]。ただし、お迎え元でふやかしていた子は、いきなり固形にせず、1〜2週間ふやかしを続けてから少しずつ固くするのがおすすめとされています[2]。
この記事では、ふやかす期間の目安、お湯の量・温度・時間、固いフードへの戻し方、食べないときの対処を、環境省とメーカー公式の資料をもとに整理します。
先に確認:こんなときは、フードの工夫より動物病院への相談を
- 元気がない、遊びに誘っても見向きもしない、いつもと様子がちがう
- 丸一日なにも食べない
- 下痢が続く(原因はさまざまで、寄生虫なら専用の薬での治療が必要になる)
いずれもロイヤルカナンの公式Q&Aが、動物病院への相談をすすめているケースです[2]。元気があって食べ方が少し変わっただけなら、この記事の方法を試せます。
この記事の読み方(順番に説明します)
- ふやかす期間の目安(月齢・週齢)
- お湯の量・温度・時間
- 固いフードへの戻し方
- お迎え直後・食べないときの対処
- 食事の回数と量
- よくある質問
子犬のドライフードをふやかすのはいつまで?生後7〜8週が目安
離乳の流れと、ふやかしの位置づけ
環境省のガイドラインでは、生まれてから30日程度までを哺乳期、生後約20日から60日くらいまでを離乳期と区分しています。離乳期は、やわらかくしたフードを少しずつ与える時期とされ、離乳期用または成長期用のフードを使うとされています[1]。
ロイヤルカナンの解説では、離乳は通常、生後3〜5週間ほどで始まり、生後8週頃に完了します。母犬のフードに興味を示しはじめたら離乳を始めるサインです[3]。
| 週齢の目安 | 与え方 | 出典 |
|---|---|---|
| 生後3〜5週頃〜 | ふやかしたドライ(またはウェット)に子犬用ミルクを混ぜた、温かいスープ状。数日後、ミルクを水に置き換える | [3] |
| 離乳期(4〜7週齢) | 最初はウェットや、おかゆのようにふやかしたドライから。少しずつドライに切り替える | [2] |
| 生後5〜7週 | ミルクや水を減らして、フードを徐々に固形に近づける。うまく食べられるまでは柔らかいまま | [3] |
| 7〜8週齢くらい〜 | 離乳完了。ふやかしていない固形のドライを食べられる。この時期以降、ふやかす必要はない | [2] |
「迎えたとき」が実はいちばんの分かれ目
ブリーダーやペットショップから迎える子犬は、一般に離乳を終えています。ただしロイヤルカナンは、迎える前に必ず確認するよう呼びかけています[3]。大事なのは、月齢だけで決めず、お迎え元で「ふやかしていたか」を聞いておくことです。
ふやかし方|お湯の量・温度・時間の目安
メーカーが示す「一例」
ロイヤルカナンの公式Q&Aでは、ドライフードの重さの2倍の量のぬるま湯(60℃程度)を注ぎ、15分ほどふやかす方法がすすめられています。冬場など冷めてふやけにくいときは、食器にアルミホイルでふたをするとふやけやすくなります[2]。
ポイント:ふやかしたら、与える前に必ず温度を確認
温めすぎに注意
同じ公式Q&Aは、食べないときに香りをたたせるために温める場合でも、70℃を超えると一部の栄養素を損ねるおそれがあるとして、温めすぎに注意を促しています[2]。
離乳食のやわらかさの目安
離乳を始める時期は、ミルクを加えたなめらかなスープ状が基本です。フードをすりつぶし、最初は清潔な指につけて口元に近づけて味見させます。無理に食べさせず、舐められるようになってからボウルで与えます[3]。ボウルは、ひっくり返しにくく、万一落ちても沈んで窒息するリスクを防げる重くて浅いものが推奨されています[3]。離乳の進み具合が不明なときは、獣医師に相談しましょう[3]。
ふやかさない固形に戻す方法|1〜2週間かけて少しずつ
戻し方の考え方
ロイヤルカナンは、お迎え元でふやかしていた場合、1〜2週間ふやかしを続け、新しい環境に慣れてきたら、徐々にふやかさないドライフードにすることをすすめています[2]。環境省も、食べ慣れていないフードに急に切り替えると、吐いたり下痢をすることがあるため、犬の状態を見ながら1〜2週間かけて新しいフードの割合を徐々に増やすよう呼びかけています[1]。
「ふやかし」から「固形」への具体的な段階(お湯を何割ずつ減らすか)は、資料には書かれていません。下の表は、公式の方針に沿った筆者の目安です。
| 目安の日数 | やり方の例(筆者の目安) |
|---|---|
| 1〜2週目 | お迎え元と同じふやかし方を続ける。環境に慣れるのを待つ |
| その後 | お湯を少なめに、ふやかす時間を短めにして、固さを少しずつ上げる。便・食べ方・元気を見ながら進める |
| 完了 | ふやかさない固形のドライを、これまで通りの量で食べられる |
注意:この段階で下痢・食欲不振が続くとき
固さを戻す途中でゆるい便や食欲の低下が出たら、一段階前に戻して様子を見て、それでも続くなら受診しましょう。子犬の下痢は不安やストレス、寄生虫など原因がさまざまです。頻繁にフードを変えると、かえって子犬のストレスになることもあるため、フードを変えれば治るとは限りません[2]。
子犬を迎えたばかり・食べないときの対処
迎えた直後は「環境に慣れる」が先
新しい環境に来たばかりのときは、不安や緊張で食べないことがあります。ロイヤルカナンは、子犬が自分だけで休める場所を用意し、むやみに構わずそっとしておくこと、心配のあまりずっと観察しているとかえってストレスになることを挙げています[2]。また、お迎え元の食事の与え方(ドライかウェットか、ふやかしていたか)を確認して、同じ方法にすると受け入れやすいとされています[2]。
元気はあるのに食が細いとき:ふやかしも選択肢
同じ公式Q&Aでは、元気はあるがいつもほど食べないときの工夫として、次の4つが挙げられています[2]。
- 温めて香りをたたせる
- ドライフードをふやかしてみる
- ウェットフードをトッピングする
- ミックスフィーディング(ドライとウェットの併用)で食感を変える
つまり、離乳期を過ぎてからでも、食べが悪いときにふやかすのは1つの手です。ただし、元気がない・丸一日食べないときは、先に受診してください[2]。食べない原因や様子見の目安は、犬がドッグフードを食べない原因にくわしくまとめています。
おやつで釣るのは逆効果になりやすい
おやつは食いつきが良いため、フードを食べずにいるとおやつがもらえる環境だと犬が学習し、フードを残すようになる、とロイヤルカナンは述べています。おやつは1日の食事量の10%以内が目安で、おやつ分は主食を減らして調整します[2](環境省は、おやつを1日に必要なカロリーの20%以内としています[1]。基準が資料で異なるため、少なめの10%を目安にするのが無難です。これは筆者の判断です)。
子犬の食事の回数と量|ふやかしても「量」は成犬時の体重基準
回数の目安
ロイヤルカナンの公式Q&Aでは、離乳したての子犬は一度にたくさん食べられないため、超小型犬・小型犬は生後4か月まで、中型犬・大型犬は生後6か月までは1日3回以上の食事をすすめています。その後、食べられる量が増えるにつれて、だんだん1日2回にしていけます[2]。
量の考え方:パッケージ表記は「成犬時の予想体重」基準のことも
ロイヤルカナンの子犬用製品の給与量は、現在の体重ではなく「成犬時の予想体重」で見る形になっています。表記の量は目安で、お迎え元で別の量を案内されたらそちらから始めて、食べ具合と体重の変化を見ながら調整します[2](これはロイヤルカナン製品の話で、他社の表記方法は確認していません)。
ふやかすと水分でかさが増えます。公式Q&Aの「ドライフードの重さの2倍の量のお湯」という書き方からは、量はドライの状態で量って、そこへお湯を足すのが自然ですが、給与量をどちらの重さで量るかは資料に明記されていません。
子犬は自分で食べる量を調整できません。ロイヤルカナンは、食べさせすぎると肥満になり、成長中の骨や関節への負担になるとして、定期的に体重を確認することを呼びかけています[3]。1日の量の計算はドッグフードの給餌量の計算方法で自動計算できます。
子犬用フードの選び方・いつまで続けるかは子犬のドッグフードの選び方を、切り替えの手順はドッグフードの切り替え方を参考にしてください。環境省では成長期の目安を、小型犬で生後約50日から10か月程度としています[1]。
子犬のふやかしに関するよくある質問
Q. ふやかしたフードは、いつまでに食べさせればいいですか?
ふやかしフードを置いてよい時間そのものを扱った資料は、今回確認できていません。環境省は、ウェットフードは食器に出した後の酸化・腐敗・有害微生物の繁殖などの品質の変化がドライフードより早いため、20分程度を目安に片付けるよう示しています[1]。水を含んだふやかしフードも同様に傷みやすいと考えて、食べ残しは放置せず、毎回器を洗うのが無難です(これは資料からの筆者の推測です)。
Q. ミルクでふやかした方がいいですか?
離乳を始める時期は、子犬用ミルクを混ぜたスープ状が基本で、数日後に水へ切り替えます[3]。環境省は、離乳期には、やわらかくしたフードを少しずつ与えるとしています[1]。離乳が進んでからのふやかしは、公式Q&Aではぬるま湯が案内されています[2]。ミルクは犬用を選びます。環境省は、母乳が飲めないときは、犬または猫専用のミルクを与えるとしています[1]。
Q. ふやかしたままだと、歯に悪いですか?
ふやかしが歯の健康に与える影響を直接扱った資料は、今回確認できていません。環境省は、歯磨きが難しい場合は、歯垢が付きにくいドライフードやデンタルケア用のガム・おもちゃを利用するとよいとしています[1]。離乳が終わった子は、ふやかす必要がないとされているので[2]、必要がなければ固形に戻していく方向で考えましょう。
Q. 水ではなくお湯でないとだめですか?
公式Q&Aが案内しているのはぬるま湯(60℃程度)です[2]。水でふやかした場合の時間や出来上がりについては、資料では確認できていません。
Q. 生後何か月でふやかさなくなりますか?
離乳が完了する生後7〜8週くらいが、ふやかしの終了の目安です[2]。ただし、お迎え後は1〜2週間は継続して、環境に慣れてから戻すのがおすすめとされています[2]。つまり、2〜3か月でお迎えした子でも、迎えた直後はお迎え元に合わせるのが基本です。
Q. ふやかしても食べません。どうしたらいいですか?
お迎え直後なら環境に慣れるのを待ち、元気があるなら温め・トッピング・ミックスフィーディングも試せます[2]。丸一日食べない、元気がないときは、受診してください。
まとめ|ふやかしは生後7〜8週が目安。お迎え後は1〜2週間続けて、少しずつ固く
- 離乳は生後3〜5週頃に始まり、生後7〜8週頃に完了。この時期以降、ふやかす必要はない
- ふやかし方の一例は、ドライの2倍のぬるま湯(60℃程度)で15分。与える前に人肌まで冷まして確認
- お迎え元でふやかしていたなら、1〜2週間は同じ方法、慣れたら徐々に固形へ
- 食が細いときは、温め・ふやかし・トッピングが選択肢。ただし元気がない・丸一日食べないときは受診
- 食事は、小型犬なら生後4か月まで1日3回以上。量は定期的に体重を測って調整
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- 犬がドッグフードを食べない原因は?様子見の目安と食べさせる工夫
- ドッグフードの切り替え方は?期間・割合・下痢や食べない時の対処
- ドッグフードの給餌量の計算方法は?体重別の早見表と自動計算
本文の[1][2][3]をクリックすると、下の番号にジャンプします。各項目から、元の資料に移動できます。
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)第2章「市販のペットフードについて」(ライフステージ別の区分、離乳期、フードの切り替え方)、第3章「ペットフードの保存方法」(ウェットの片付けの目安)、第4章「体調管理について」(おやつの目安、歯のケア) 第2章(PDF)、第3章(PDF)、第4章(PDF)
- ロイヤルカナン ジャポン「子犬期のフードQ&A」(ふやかし方・期間、回数、給与量、食べないとき、おやつ、下痢)。royalcanin.com(フードメーカーの公式ページです。公的機関の資料ではありません)
- ロイヤルカナン ジャポン「子犬の離乳時期と離乳食について」(2024年7月23日。離乳の流れ、スープ状の離乳食、ボウルの選び方)。royalcanin.com(フードメーカーの公式ページです。公的機関の資料ではありません)
- ふやかしたフードを置いてよい時間、水(常温)でふやかした場合の時間、電子レンジの使用、ふやかしが歯に与える影響は、今回確認できていません
- 「ふやかし」から「固形」へ戻す具体的な段階(表)と、「ドライ20gならぬるま湯40mL」は、公式の方針・数字をもとにした筆者の目安・計算例で、資料にある数字ではありません
- おやつの目安は、環境省が1日に必要なカロリーの20%以内、ロイヤルカナンは10%以内と、資料で異なります。少なめの10%を目安にしたのは筆者の判断です
- ふやかしフードの傷みやすさは、環境省のウェットタイプに関する注意からの推測で、ふやかしフード自体を扱った資料は確認していません
- ロイヤルカナンの記述は同社の製品・方針に基づくもので、他社製品の給与量表記や、犬種・個体ごとの違いは確認していません
- 病気の診断・治療は獣医師が行うものです。この記事は、診断をするものではありません
この記事を書いた人
大手ペットフードメーカーでEC(通販)の責任者を務めている運営者が、公的な資料やメーカー公式の資料をもとにまとめました。社名や特定の商品をすすめる目的ではありません。健康に不安があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。