切り替え・与え方

ドッグフードの切り替え方は?期間・割合・下痢や食べない時の対処

ドッグフードの切り替え方は?期間・割合・下痢や食べない時の対処

「ドッグフードを変えたいけど、いきなり全部変えていいの?」
「前に切り替えたら下痢をさせてしまった…」
「新しいフードを全然食べてくれない!」

結論から言います。ドッグフードの切り替えは、今のフードに新しいフードを混ぜて、1〜2週間かけて少しずつ増やすのが基本です。環境省のガイドライン[1]も、食べ慣れていないフードに急に切り替えると、吐いたり下痢をしたりすることがあるとして、犬の状態を見ながら1〜2週間かけて新しいフードの割合を徐々に増やすよう、同じ方法をすすめています。

この記事では、割合の表と1日の量のグラム計算、下痢・嘔吐・食べないときの対処、動物病院に行く目安まで、切り替えで迷いやすいところを順番に答えていきます。読み終わるころには、今日から何をすればいいかがはっきりするはずです。

この記事の読み方(先に順番をお伝えします)

  1. 切り替えの期間はどのくらいか
  2. 割合と、1日の量のグラム計算(表あり)
  3. 切り替え中のチェックポイント
  4. 下痢・嘔吐になったときの対処
  5. 食べてくれないときの対処
  6. 子犬・シニア・複数頭のときの注意

いま困っている人は、下痢・軟便のとき、食べないときから読んでもOKです。

ドッグフードの切り替え期間は?環境省は1〜2週間、慎重にするならさらに長めに

期間の目安をまず表で確認

期間は、犬の年齢や胃腸の強さで変わります。目安を先にまとめます。

犬の状態期間の目安根拠
健康な成犬1〜2週間(7〜10日と書く解説も多い)環境省ガイドライン[1]/一般的な解説
シニア用への切り替え1〜2週間環境省ガイドライン
お腹が弱い犬・前に下痢をした犬2週間以上、いつもよりゆっくり一般的な解説(公的資料では確認できていません)
療法食への切り替え1〜2週間くらい(環境省の切り替えの目安)。ただし獣医師の指示が最優先環境省ガイドライン(療法食に限った記述は現行版にありません)

なぜいきなり全部変えてはいけないのか?

理由は2つあります。

  • お腹がびっくりするから。毎日同じものを食べていると、お腹はそのフードに慣れています。急に中身が変わると、軟便や下痢、嘔吐になることがあります。
  • 犬がびっくりして食べなくなるから。においも味も粒の形も変わるので、「これ、いつものごはんじゃない」と戸惑う犬もいます。

つまり、少しずつ混ぜるのは、お腹と気持ちの両方に準備の時間をあげる方法なんです。

割合の表とグラム計算|1日200gの犬ならこうなる

7日で切り替える場合の割合

最もよく使われる、7日間のスケジュールです。「1日の総量は変えず、新旧の割合だけ」を変えます。

日数今のフード新しいフード
1〜2日目75%25%
3〜4日目50%50%
5〜6日目25%75%
7日目〜0%100%

10日かけて、もっとゆっくり切り替える場合

お腹が弱めの犬には、同じ割合を3日ずつ続ける方法がおすすめです。

日数今のフード新しいフード
1〜3日目75%25%
4〜6日目50%50%
7〜9日目25%75%
10日目〜0%100%

※この割合表は、一般的に広く紹介されている目安です。割合そのものを環境省が定めているわけではありません。フードのパッケージに切り替え方が書いてあれば、そちらを優先してください。

グラムで計算するとどうなる?(1日の総量が100g・200g・400gの場合)

「割合はわかったけど、実際に何グラム混ぜるの?」という疑問に答えます。計算は簡単で、1日の総量 × 割合です。

新フードの割合1日100g1日200g1日400g
25%新25g+旧75g新50g+旧150g新100g+旧300g
50%新50g+旧50g新100g+旧100g新200g+旧200g
75%新75g+旧25g新150g+旧50g新300g+旧100g

1日2回に分けて与えているなら、この量を半分ずつにします。たとえば1日200gで25%の日は、朝=新25g+旧75g、夜=新25g+旧75gです。

ここがポイント:フードによって1gあたりのカロリーは違います。「総量は変えない」のはあくまで切り替え中の話です。切り替えが終わったら、新しいフードのパッケージにある体重別の給与量の目安に合わせて量を決め直し、体重を週に1回くらい測って、増えすぎ・減りすぎがないか見てください。

切り替え中は毎日ここをチェック|やめどきのサインも

見るのは4つだけ

  • うんちの状態:形があるか、いつもより柔らかくないか、回数が増えていないか
  • 食欲:残さず食べるか、食べるスピードはいつもどおりか
  • 嘔吐:吐いていないか
  • 元気:散歩や遊びへの反応はいつもどおりか

うんちの状態は、写真で記録しておくと便利です。「何日目の割合で柔らかくなったか」がわかると、次の一手が決めやすくなります。

次の割合に進んでいいサイン

うんちが形のあるまま、食欲もいつもどおり。この2つがそろっていれば、予定どおり進めてOKです。どちらか1つでも怪しいなら、その割合のまま2〜3日据え置きにします。急ぐ必要はありません。

切り替え中に下痢・軟便になったら?対処の順番

慌てずに、この順番で

  1. 切り替えのペースを落とす。1つ前の割合まで戻して、うんちが落ち着くまで数日続けます。
  2. 落ち着いたら、前より小さい刻みで再開します(25%ずつではなく、10〜15%ずつ増やすなど)。
  3. 水は、いつでも飲めるようにしておきます。
  4. おやつや人の食べ物は、切り替え中は増やさないでください。下痢の原因が、フードなのかおやつなのか分からなくなります。

多くの解説では、フードの切り替えが速すぎたことによる軟便は、ペースを落とすことで数日以内に落ち着くとされています。ただし、これは一般的な目安であり、全ての犬に当てはまるわけではありません。

こんなときは切り替えを止めて、動物病院へ:
  • うんちや吐いたものに血が混じる
  • 何度も吐く、水を飲んでも吐く
  • ぐったりして元気がない
  • 下痢が数日たっても続く、悪化する
  • 子犬、シニア犬、持病のある犬で症状が出た

フードの切り替えが原因とは限りません。自己判断で様子を見すぎないでください。

吐いてしまったときは?

1回だけで、その後ケロッとして食欲もあるなら、新しいフードが一度に多すぎた可能性があります。量を減らして様子を見ます。ただし、繰り返し吐く場合は、フードとは別の原因も考えられます。早めに獣医師に相談してください。

新しいフードを食べてくれないときは?

まず「切り替えの拒否」か「ただの飽き」かを分けて考える

環境省の改訂前の版のガイドライン[1](現行の2018年版にはありません)は、同じフードに飽きたと感じるときほど、まず原因を考えることが大切だと書いています。ポイントは次のとおりです。

  • 塩分や脂肪が多い、味の強いものを覚えると、さらに味の強いものを求めるようになることがある
  • 家族の誰かが人の食べ物をあげていたり、味の強いおやつをあげていたりすることが、原因のことがある
  • 食べないときに、おやつで栄養を取らせようとせず、次の食事の時間まで待つのも一つの方法

つまり、「新しいフードがまずい」のではなく、「ほかにおいしいものがもらえるから食べない」ことが意外と多いのです。まず、家族みんなで「おやつ・人の食べ物」のルールをそろえましょう。

食べてもらうための工夫(順番に試す)

順やることねらい
1新フードの割合を減らし、前の割合に戻す慣れるペースを遅くする
2おやつ・人の食べ物を見直す空腹で食べてもらう
3犬用のトッピングやふりかけを少量混ぜるにおいと味で興味を引く(環境省の改訂前の版でも一つの方法として紹介)
4ドライとウエットを試す食感や香りを変える
5それでもダメなら、獣医師に相談病気や歯の問題がないか確認する
注意:丸1日以上まったく食べない、元気がない、子犬や小型犬で食べない状態が続く場合は、フードの好みではなく体調不良の可能性があります。環境省のガイドラインも、少しでも異変を感じたら早めに獣医師に診てもらうよう書いています。

子犬・シニア・複数頭のときの切り替えの注意点

子犬:成犬用に変えるときも「少しずつ」は同じ

環境省のガイドライン[1]によると、成長期用のフードは成犬・成猫用より、同じ食事量でも多くのエネルギーや成長に必要な栄養がとれるように作られています。成犬用のフードを子犬に与えると栄養不足に、反対に子犬用を成犬に与え続けるとエネルギー過剰で肥満になります。ライフステージに合ったフードを選ぶことが大切です。成犬用への切り替え時期は、犬種や体格で違うので、フードのパッケージの「成長段階」の表示と、かかりつけの獣医師の意見を確認しましょう。

シニア用:開始時期と、切り替えの期間

同じガイドラインでは、シニアに入る時期の目安を大型犬6〜7歳、小型犬8〜10歳くらいとしています(猫も約8〜10歳以降)。切り替えは、慣れた食事に少しずつ混ぜながら、1〜2週間かけて行うのがすすめられています。

複数の犬を飼っているとき

1頭だけ別のフードにする場合は、食事の時間や場所を分けます。環境省のガイドラインも、食べ終わったらすぐ片付ける、食事の時間をずらす、与える場所を変えるといった工夫を紹介しています(ライフステージの違う犬猫の多頭飼いの場合)。

切り替えで失敗しやすい4つのパターン|リスクを減らすコツ

ここまでの内容を、「やりがちな失敗」の形でまとめ直します。お腹への負担を減らすためのチェックリストとして使ってください。

失敗パターン起きやすいこと避けるコツ
①一度に全部変える食べない、嘔吐、下痢(環境省ガイドライン[1]が挙げる原因)25%から混ぜはじめ、少しずつ増やす
②うんちが柔らかいのに先へ進む軟便が下痢に変わる怪しいときは2〜3日据え置き、または1つ前の割合に戻す
③切り替え中におやつ・人の食べ物を増やす原因がフードかおやつか分からなくなる。味の強いものを覚えて、新しいフードを食べなくなる切り替えが終わるまで、おやつは増やさない。家族でルールをそろえる
④成長段階に合わないフードを選ぶ成犬用を子犬に与えると栄養不足、反対だと肥満(環境省ガイドライン)パッケージの「成長段階」を確認してから切り替える

ドライからウェットなど、フードの種類が変わるとき

ドライフードからウェットフードへ、またはその逆に変えるときは、味だけでなく食感やにおいも大きく変わります。基本は同じで、今のフードに少しずつ混ぜて、様子を見ながら増やします。ウェットは水分が多いので、袋の「与え方」の量をそのまま置き換えず、新しいフードの表示に合わせて量を決め直してください。

アレルギーが心配な犬の切り替え

皮膚のかゆみや、下痢・軟便が続くなど、フードのアレルギーが心配なときは、自分で原材料を選び直す前に、獣医師に相談してください。診断や、避ける原材料の指示は獣医師が行うものです。アレルギー用や療法食の切り替えも、獣医師の指示を最優先にして、指示された手順で進めます。

ドッグフードの切り替えでよくある質問

Q. 同じメーカーの別シリーズに変えるときも混ぜたほうがいい?

混ぜたほうが安心です。同じメーカーでも、原材料や栄養のバランスが変わることがあるからです。

Q. 切り替えが終わったら、またすぐ別のフードに変えてもいい?

お腹の調子と体重が安定しているなら、変えること自体は問題ありません。ただし、変えるたびに同じ手順(少しずつ混ぜる)が必要です。環境省の改訂前の版のガイドライン[1]は、飽きやすい犬には、同じ栄養組成の製品で味の違うものを日ごろからローテーションする方法も紹介していました(現行の2018年版にはありません)。

Q. フードを選ぶとき、何を見ればいい?

まず「総合栄養食」の表示と、愛犬の年齢に合った成長段階の表示を確認します。原材料と成分の読み方は、ドッグフードの原材料・成分の見方の記事で詳しく説明しています。

Q. 療法食を食べてくれないときも、混ぜる切り替えでいい?

環境省のガイドラインは、フードの切り替えは犬の状態を見ながら1〜2週間かけて徐々に割合を増やすとしています(療法食に限った記述は、現行版にはありません)。ただし、療法食は必ず獣医師の指導のもとで与えるフードです。食べないときは自己判断せず、獣医師に相談してください。

まとめ|切り替えは「ゆっくり・記録・おやつ控えめ」

  • 基本は1〜2週間かけて、新しいフードの割合を少しずつ増やす(環境省)
  • 1日の総量は変えず、割合だけ変える。グラムは「総量×割合」で計算
  • 毎日、うんち・食欲・嘔吐・元気をチェックして、怪しければ割合を据え置く
  • 下痢・軟便は、1つ前の割合に戻して再開。血便、繰り返す嘔吐、ぐったりしていたら動物病院へ
  • 食べないときは、おやつ・人の食べ物を見直すのが先。それでもダメなら獣医師に相談

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この記事の参考情報

本文中の [1] [2] などの数字は、この一覧へのリンクです。一覧の各項目から、元の資料へ移動できます。

  1. 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)第2章「市販のペットフードについて」(フードの切り替え方、ライフステージ別の区分) 第2章(PDF)、第5章「Q&A」(ライフステージの違う犬猫の多頭飼い) Q&A(PDF)。改訂前の版(飽きる場合の工夫の記述あり) Q&A(PDF)
  • 環境省のガイドラインは2018年に改訂されています。上の最初のリンクが現行の2018年版です。飽きる場合の工夫(ローテーション・トッピング)は、改訂前の版(ref-1の最後のリンク)の内容で、現行版には記述がないか、書き方が違います。フードの切り替えの期間(1〜2週間)など、現行版と違う点は直しました
  • 割合の表は、一般的に紹介されている目安です。数値自体は公的機関が定めたものではありません
  • 「2週間以上かける」「下痢は数日で落ち着く」などの記述は、公的資料では確認できていない一般的な解説に基づきます

この記事を書いた人

大手ペットフードメーカーでEC(通販)の責任者を務めている運営者が、公的な資料をもとにまとめました。社名や特定の商品をすすめる目的ではありません。健康に不安があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。