切り替え・与え方

ドッグフードの給餌量の計算方法は?体重別の早見表と自動計算

ドッグフードの給餌量の計算方法は?体重別の早見表と自動計算

「ドッグフードの量って、結局どれくらいが正解?」
「袋の目安と、ネットの計算が違う…」
「うちの子の1日のカロリーを知りたい」

結論から言います。ドッグフードの量は、①袋の「与え方」の表を基本に、②1日のカロリーの参考値で確認し、③体重と体型を見て調整するのが基本です。環境省のガイドライン(2018年版)[1]には、RER(体重×30+70)に係数をかけて1日のエネルギー量を求める計算式が載っています。この記事の自動計算ツールに、体重とフードのカロリーを入れると、1日の量の目安が出ます。

この記事では、計算ツール、犬の体重別早見表(グラム換算つき)、計算した量とのズレの調整方法、猫の場合の計算まで、順番に説明します。

給餌量の自動計算(環境省ガイドライン2018年版の式をもとにした目安)

※フード100gのカロリーは、袋の表示を入力してください(初期値400は説明用の例です)。結果は目安です。袋の「与え方」と、愛犬・愛猫の体重・体型・運動量を見て調整してください。

この記事の読み方(先に結論の一覧です)

  1. 量の基本は、袋の「与え方」。計算は、確認のための目安
  2. 計算式(環境省・2018年版):RER=体重(kg)×30+70、1日の量=RER×係数(犬の例は1.6、猫の例は1.2。どちらも避妊去勢済み)
  3. グラム換算は「カロリー ÷ フード100gのカロリー × 100」
  4. 計算とズレたら、体重と体型(BCS)を見て調整。目安だけに頼らない
  5. おやつを与えた分は、フードを減らす

ドッグフードの給餌量の決め方|袋の目安・計算・体型の3点セット

なぜ「袋の目安」だけでは足りないのか

環境省のガイドライン[1]によると、表示されている給与量は目安で、犬や猫が必要とする栄養の量は、季節や運動量、性別、避妊去勢の有無などによって変わります。給与量は、現在の体重ではなく理想体重をもとに計算されているため、現在の体重に合わせて与えると、多すぎたり少なすぎたりすることがあります。そのため、定期的に体重をはかり、理想的な体型を維持できるように量を調節するようすすめています。理想体重は個体や骨格で違うので、かかりつけの獣医師に相談して把握するよう案内されています。

量を決める流れ

順やることポイント
1袋の「与え方」の表を見る体重ごとの量が書かれている。まずここから
2計算ツール・早見表で、1日のカロリーの目安を確認袋の量と大きく違うときは、理由を考える
3体重を測る・体型(BCS)を見る週に1回ほど。増えすぎ・減りすぎがないか
4量を少し調整して、また体重と体型を見る一度に大きく変えない

犬の1日のカロリーの計算方法|環境省ガイドライン(2018年版)の式

計算式と、係数

環境省のガイドライン[1]には、RER(安静時エネルギー要求量、kcal)=体重(kg)×30+70(体重2〜45kgの場合のみ計算可能)、1日あたりのエネルギー要求量(DER)=RER×係数という式が載っています。計算例は体重5kgの犬と猫(避妊去勢済み)で、RER=220kcal、犬は係数1.6で352kcal、猫は係数1.2で264kcalです。係数は成長段階や活動量によって変わるので、詳しくは獣医師に相談するよう書かれています。さらに、フードに表示された代謝エネルギー(ME、100gあたりのkcal)から、1日の食事量(g)=DER÷ME×100で計算できます。

1日のカロリー(環境省・2018年版)
RER(kcal)= 体重(kg) × 30 + 70
DER(kcal)= RER × 係数(犬1.6/猫1.2は、避妊去勢済みの例)
食事量(g)= DER ÷ ME(100gあたりkcal)× 100

※子犬の成長段階別の係数は、現行の2018年版には載っていません(改訂前の版には、離乳期274・成長中期200・成犬132を体重の0.75乗にかける式がありました)。子犬の量は、子犬のドッグフードの選び方も参考にしてください。

体重別の早見表:避妊去勢済みの成犬(係数1.6)

RER×1.6(環境省の例の係数)の1日のカロリーと、100gあたりのカロリーが違うフードの量の目安です。

体重1日のカロリー(参考値)100gあたり350kcalのフード400kcalのフード450kcalのフード
5kg約352kcal約101g約88g約78g
7kg約448kcal約128g約112g約100g
10kg約592kcal約169g約148g約132g
15kg約832kcal約238g約208g約185g
20kg約1,072kcal約306g約268g約238g
25kg約1,312kcal約375g約328g約292g
30kg約1,552kcal約443g約388g約345g
40kg約2,032kcal約581g約508g約452g

※環境省の式は体重2〜45kgの場合に使えます。係数1.6は避妊去勢済みの犬の例で、運動量や年齢で変わります。5kgは環境省の計算例の数字、それ以外の体重は同じ式を当てはめた筆者の計算です。袋の「与え方」を基本にしてください。

フードの「100gあたりのカロリー」の探し方とグラム換算

カロリー表示はどこにある?

環境省のガイドライン[1]によると、多くの市販フードには、カロリー表示とともに、与える量の目安が示されています。ペットフード公正取引協議会[2]の規約で必ず書くことになっている項目の一覧(名称・目的・内容量・与え方・賞味期限・成分・原材料名・原産国名・事業者名)に、カロリーは出てきません。そのため、カロリーの書き方は、メーカーによって違います。袋の裏面や、メーカーの公式サイトで、「代謝エネルギー」「kcal/100g」などの表記を探してください。見つからないときは、メーカーに問い合わせるのが確実です。

グラム換算の例(成犬10kgの場合)

10kgの成犬(係数1.6)の計算値は、約592kcalです。

  • 100gあたり350kcalのフードなら: 592 ÷ 350 × 100 = 約169g
  • 100gあたり400kcalのフードなら: 592 ÷ 400 × 100 = 約148g
  • 100gあたり450kcalのフードなら: 592 ÷ 450 × 100 = 約132g

同じ犬でも、カロリーが高いフードほど、量は少なくて済みます。フードを変えるときは、量も計算し直すことが大切です。切り替え中の混ぜ方は、ドッグフードの切り替え方で説明しています。

計算した量と、袋の目安がズレたら?調整のしかた

体重と体型(BCS)で判断する

環境省のガイドライン[1]は、犬の体型をBCS(ボディコンディションスコア)の5段階で紹介しています。理想は「3」です。肋骨に触れて、上から見て肋骨の後ろに腰のくびれがある状態です。体重が増えてBCSが「4」「5」に近づいているなら、量を見直します。反対に、体重が減ってBCSが「2」「1」に近づいているなら、量が足りないか、病気の可能性もあるので、動物病院に相談してください。

太ってきたときの減らし方(環境省の改訂前の版の目安)

環境省のガイドライン(2018年版)は、本格的なダイエットが必要な場合は、必ず獣医師の指導の下で行うとしています。次の数字は、改訂前の版にあった目安で、現行の2018年版には載っていません。軽度〜中度の肥満なら、フードの量を通常の30〜40%減らして体重の変化をチェックし、1週間で体重が1〜3%減るくらいのペースが適当、空腹感を抑えるために1日量を3〜4回に分ける、40%以上減らす急激なダイエットは体に悪い影響を与える危険がある、とされていました。

おやつを与えたときは、その分フードを減らす

ガイドラインは、おやつやごほうびは、コミュニケーションのひとつの手段ですが、1日に必要なエネルギー量の20%以内を目安にし、与えた分だけ主要な食事の量も減らすようにとしています。おやつを含めた1日のカロリーで考えましょう。

猫の1日のカロリーの計算方法

環境省のガイドライン(2018年版)[1]では、猫も同じ式(RER=体重×30+70、1日の量=RER×係数)で、避妊去勢済みの猫の例では係数1.2です。改訂前の版にあった、体重に週齢別・活動量別の係数(250、130、100、80、70)をかける表は、現行版には載っていません。

体重安静時(RER)RER×1.2(避妊去勢済みの例)
3kg160kcal192kcal(約48g)
4kg190kcal228kcal(約57g)
5kg220kcal264kcal(約66g)

※カッコ内は、100gあたり400kcalのフードと仮定した、説明用の例です。子猫の量は、子猫のキャットフードの選び方で説明しています。猫にも、おやつやトッピングはカロリーに含めてください。

給餌量の計算でよくある質問

Q. 袋の目安と、計算結果がだいぶ違います

どちらも「目安」です。環境省のガイドライン[1]は、給与量は目安で、定期的に体重をはかって調節するよう書いています。まず、袋の量で数週間与えて、体重と体型の変化を見て調整しましょう。

Q. 避妊・去勢をしたら、量は減らすべき?

環境省のガイドラインは、必要な量は避妊去勢の有無などによっても変わるとしています。2018年版の計算例の係数(犬1.6・猫1.2)は、避妊去勢済みの例です。実際の増減は、体重とBCSの変化を見ながら、かかりつけの獣医師に相談してください。去勢・避妊後の量は、犬・猫の記事でも詳しく説明しています。

Q. ウェットフードとドライフードを混ぜるときは?

それぞれのカロリーを足して、1日の合計で考えます。ウェットは水分が多いので、袋の量をそのまま置き換えず、それぞれのカロリー表示から計算してください。

Q. 1日に何回に分ける?

成長段階で違います。子犬は、1日3〜4回から始めて、6か月齢を目途に1日2回へ、とヒルズの解説[3]にあります。子犬の回数は、子犬の記事を参考にしてください。

Q. 全然食べてくれないときは?

量の問題ではなく、体調や環境の問題の可能性があります。犬がドッグフードを食べない原因で、様子見の目安と対処を説明しています。

まとめ|量は「袋の目安」+「計算で確認」+「体重と体型で調整」

  • 量の基本は、袋の「与え方」。計算は、確認のための目安
  • 1日のカロリーは、(体重(kg)×30+70)×係数(環境省・2018年版。犬の例は1.6、猫の例は1.2)
  • グラム換算は、カロリー ÷ フード100gのカロリー × 100。フードを変えたら計算し直す
  • 目安だけに頼らず、定期的な体重測定(週1回程度)とBCSの確認で調整
  • おやつを与えたら、その分フードを減らす。太ってきたら、獣医師に相談(通常の30〜40%減は改訂前の版の目安)

あわせて読みたい

この記事の参考情報

本文中の [1] [2] などの数字は、この一覧へのリンクです。一覧の各項目から、元の資料へ移動できます。

  1. 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)(犬・猫のカロリーの計算式と計算例/犬のBCSと体型/おやつの与え方/体重の測り方)第4章 体調管理(PDF)、第5章 Q&A(PDF)。改訂前の版(体重の0.75乗の式・猫の係数・ダイエットの数字の記述あり)体調管理(PDF)
  2. ペットフード公正取引協議会「公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限について」(必要表示事項の一覧)pffta.org
  3. ヒルズ「知っておきたい子犬の食事ガイド」(子犬の回数)hills.co.jp(メーカーの解説です)
  • 計算ツール・早見表の数値は、環境省ガイドライン(2018年版)の式(RER=体重×30+70、係数1.6/1.2)から算出しました。5kgの犬352kcal・猫264kcalは、ガイドラインの計算例と一致することを確認しています。2018年に改訂される前は、体重の0.75乗に係数をかける式でしたが、現行版では使われていません。グラム換算は、100gあたり350・400・450kcalと仮定した説明用の例で、特定の商品ではありません
  • 子犬・シニア・活動量の違いによる係数、避妊去勢をしていない犬猫の係数は、現行版に載っていないため、確認していません
  • 病気の診断・治療は獣医師が行うものです。この記事は、診断をするものではありません

この記事を書いた人

大手ペットフードメーカーでEC(通販)の責任者を務めている運営者が、公的な資料などをもとにまとめました。社名や特定の商品をすすめる目的ではありません。健康に不安があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。