犬のごはん

子犬のドッグフードの選び方は?回数・量・成犬用への切り替え時期

子犬のドッグフードの選び方は?回数・量・成犬用への切り替え時期

「子犬を迎えたけど、どのドッグフードを選べばいいの?」
「1日に何回、どれくらいあげるの?」
「子犬用って、いつまで食べさせるの? ふやかすのは、いつまで?」

結論から言います。子犬のドッグフードは、①「総合栄養食」と書かれていて、②「幼犬期(成長期・グロース)」または「全成長段階(オールステージ)」の表示があるものを選びます。迎えた直後の2〜3日は、それまで食べていたフードを続けて、そのあと1週間ほどかけて切り替えます。回数は、1日3〜4回から始めて、生後6か月ごろを目安に1日2回へ減らしていきます。

この記事では、選ぶときの確認ポイントを表にまとめたうえで、迎えた直後の食事、回数と量の考え方(カロリーの計算例つき)、大型犬と小型犬の違い、ふやかすのはいつまでか、成犬用への切り替え時期、動物病院に行く目安まで、順番に説明します。

この記事の読み方(先に結論の一覧です)

  1. フードは「総合栄養食」+「幼犬期(成長期)またはオールステージ」
  2. 迎えた直後の2〜3日は、前のフードを続ける。切り替えは1週間ほどかけて
  3. 回数は1日3〜4回。生後6か月ごろから1日2回へ
  4. 量は、袋の「与え方」を基本に、体重と体型を見て調整。与えすぎ注意
  5. 大型犬の子犬は、骨のために、与えすぎとカルシウムに注意
  6. 成犬用への切り替えは、体格により1〜2歳ごろ(大型犬は2歳ごろまで子犬用)

子犬のドッグフードの選び方|袋の表示で確認する5つのポイント

確認する項目を表で整理

ポイント確認すること理由
①犬用か名称に「犬用」とある犬と猫は必要な栄養素が違う(環境省ガイドライン[1])
②目的「総合栄養食」と書かれている毎日の主食として、その成長段階の健康を維持できるよう栄養が調整されたフード(ペットフード公正取引協議会[2])
③成長段階「幼犬期(成長期・グロース)」または「全成長段階(オールステージ)」成長段階の表示は総合栄養食に必ずある(同協議会)
④犬の大きさに合うか小型犬用・大型犬用などの表示、粒の大きさ大型犬の子犬には、小型犬用のフードを与えない(環境省ガイドライン)
⑤賞味期限・内容量開封後に食べ切れる量か鮮度のよいうちに食べ切る

表示の読み方は、ドッグフードの原材料・成分の見方で詳しく説明しています。

なぜ「成犬用」ではダメなのか

環境省のガイドラインによると、成長期用のフードは成犬用より、同じ食事量でも多くのエネルギーや成長に必要な栄養がとれるように作られています。成犬用のフードを子犬に与えると栄養不足になり、反対に、子犬用を成犬になっても与え続けると、エネルギー過剰で肥満になります。ヒルズの解説[3]でも、子犬に合うフードは、健康な発育に必要な、高脂肪・高タンパク・高カロリーのフードだとしています。成長段階に合ったフードを選ぶことが、とても大切です。

ドライとウェット、どちらがいい?

ヒルズの解説では、どちらにするかは、主に飼い主と子犬の好みで決めてよいとしています。ドライは経済的で保存がきき与えやすい利点があり、ウェットは水分が多く、ドライより最大で70%も水分量が高いので、水分を多く必要とする子犬に向いている、と説明しています。2つを混ぜて変化をつける方法もあります。どちらも、袋の目的が「総合栄養食」で成長段階が合っていることが条件です。

迎えた直後は何を食べさせる?2〜3日は前のフード、そのあと1週間で切り替え

最初の2〜3日は「前と同じ」

ヒルズの解説[3]では、連れてきたばかりの子犬には、新しい環境に慣れやすいように、2〜3日間は、ブリーダーや保護施設で与えられていたものと同じフードを与えるようにすすめています。前のフードが分からないときは、お迎え先に聞いてみましょう。

切り替えるなら、1週間ほどかけて少しずつ

新しいフードに切り替えるときは、いきなり全部変えず、初めは新しいフードを少しだけ前のフードに混ぜて、1週間ほどかけて、割合を増やしていきます。こうすることで、子犬の消化管への負担を減らし、新しい風味や食感にも慣れやすくなる、と説明されています(ヒルズの解説)。環境省のガイドライン[1]も、急に切り替えると、食べない、嘔吐・下痢の原因になることがある、としています。割合の表とグラム計算は、ドッグフードの切り替え方で説明しています。

最初に動物病院を受診するときに、今のフードの種類と量が適切か、獣医師に確認するのも、おすすめです(ヒルズの解説)。

子犬のごはんの回数と量|1日3〜4回、量はカロリーの参考値で確認

回数:1日3〜4回から、6か月ごろに1日2回へ

ヒルズの解説[3]では、幼い子犬は消化能力が十分に発達していないので、エネルギッシュな生活に見合う量を一度に食べて消化することができません。そのため、原則として食事を1日に3〜4回に分けて与え、6か月齢を目途に、1日2回に減らしていくとしています。時間は、できるだけ規則正しく、毎日決まった時間にすると、生活リズムが整いやすく、トイレトレーニングも楽になります。

量:袋の「与え方」を基本に、カロリーの参考値で確認

量の基本は、フードの袋にある「与え方」です。ただし、ヒルズの解説は、子犬の週齢、体の大きさ、品種、活動レベル、健康状態などで、量は個体差が大きいとしています。あっという間に食べて、まだお腹がすいていそうに見えても、与えすぎには注意が必要です。

環境省の改訂前の版のガイドライン[1]には、犬のカロリー必要量の参考値が載っていました。成長段階ごとに、体重(kg)の0.75乗に係数をかける計算で、係数は離乳期が274、成長中期が200、成犬が132です。現行の2018年版では、簡易式(RER=体重×30+70、これに係数をかける)に変わり、子犬の成長段階別の係数は載っていません。避妊去勢済みの犬の例(係数1.6)では、体重5kgで約352kcalです。以下の表は、改訂前の版の数字です。

区分(参考値)体重の例1日のカロリーフードの量(例:100gあたり400kcal)
離乳期3kg約625kcal約156g
成長中期5kg約669kcal約167g
成長中期10kg約1,125kcal約281g
(参考)成犬5kg約441kcal約110g

※カロリーは、環境省の改訂前の版のガイドラインの犬のカロリー必要量(参考値)の表にもとづきます。「フードの量」は、100gあたり400kcalと仮定した説明用の例で、特定の商品ではありません。成長中期などの区分が何か月にあたるかは、この記事では確認していません。実際のフードのカロリーは、袋の表示を確認してください。

同じ体重5kgの犬でも、成犬は約441kcal、成長中期は約669kcalです。子犬は成犬よりずっと多くのエネルギーが必要だと分かります。ただし、環境省のガイドラインは、給与量は目安であり、定期的に体重をはかり、理想的な体型を維持できるよう、量を調節するよう、すすめています。週に1回ほど体重を測りましょう。

大型犬・小型犬の子犬|骨のために、与えすぎとカルシウムに注意

大型犬の子犬は「たくさん必要」でも、出しっぱなしはNG

ヒルズの解説[3]では、大型犬の子犬は、たくさん必要だからといって、いつでも食べられるようにフードを出しておいたり、1日あたり2〜3カップ余分に与えたりするのはやめるよう書いています。肥満や、骨の発達障害につながるおそれがあるためです。

カルシウムのサプリは必要?小型犬用フードは?

環境省の改訂前の版のガイドライン[1](現行の2018年版にはありません)では、カルシウムは不足しても過剰でも骨の代謝に影響し、フードに適切な量が含まれているなら、サプリメントの追加で過剰になって、一部の犬種では股異形成や骨軟骨症など、発育期の整形外科疾患につながると説明しています。特に、成長期の大型犬が過剰に摂取すると、骨格異常を起こすこともあります。必要なカルシウムは、総合栄養食(大型犬用)を与えていれば足りるようになっています。カルシウムが多めの小型犬用フードを、大型犬の子犬に与えないよう、注意してください。

パピー用フードを選ぶとき:粒の大きさ・食いつき・アレルギー・添加物で迷ったら

粒の大きさ(小粒・サイズ)

子犬の口の大きさや歯の状態に合う粒を選ぶと、食べやすくなります。小型犬用には小粒のものが多く、大型犬用は粒が大きめです。ただし、粒のサイズの目安は、公的な資料では確認できていません。食べにくそうにしているときは、ふやかして与える方法(前の見出しを参照)や、獣医師への相談を検討してください。

食いつきだけで選ばない

食いつきの良さは大切ですが、塩分や脂肪が多く味の強いものを覚えると、さらに味の強いものを求めるようになることがある、と環境省の改訂前の版のガイドライン[1]は説明していました(現行の2018年版にはありません)。「食いつきが良い=子犬に合っている」とは限りません。目的・成長段階の表示と、うんち・体重・元気で判断してください。

アレルギー・皮膚のかゆみ・うんちが心配なとき

皮膚のかゆみや、下痢・軟便が続くなど、フードの相性が心配なときは、自分で原材料を選び直す前に、獣医師に相談してください。ヒルズの解説[3]も、栄養学的に適切なフードであっても、子犬にも個々の体質によって合う合わないがあるので、気になることがあれば獣医師に相談するよう書いています。

着色料などの添加物、「プレミアム」「国産」の言葉

添加物は、原材料とは分けて書かれ、着色料・保存料・酸化防止剤などは用途名もあわせて書くルールです(ペットフード公正取引協議会[2])。気になるときは、袋の用途名を確認しましょう。「プレミアム」については、環境省の改訂前の版のガイドラインが、定義は必ずしも決まっておらず、通常のフードと差別化を図った製品群を指す、と説明していました(現行の2018年版にはありません)。「人気」「安心」「安全」といった言葉だけで選ばず、表示でわかることで判断してください。

子犬のごはんは、ふやかすのはいつまで?

環境省のガイドライン[1]によると、離乳期は生後20〜60日ぐらいで、やわらかくしたフードを少しずつ与える時期、成長期は生後50日からです。ドライフードをふやかして与えている場合に、歯が生えそろってきたらふやかす時間を少しずつ短くして固形に切り替える、という手順は、改訂前の版の記述です(現行の2018年版にはありません)。いきなり固形にせず、少しずつ、が基本です。

子犬のごはんはいつまで?成犬用への切り替え時期

ヒルズの解説[3]では、子犬用から成犬用への切り替えは、体の大きさや品種に応じて、一般的に1歳から2歳までの間に行うとしています。大型犬は2歳ごろまで成長が続くこともあり、完全に成長して体重が落ち着くまでは、子犬用フードを与えるとされています。切り替えるときも、これまでのフードに少しずつ混ぜて増やします。

時期目安根拠
離乳食から普通食へ生後20〜60日ぐらいが離乳期、生後50日から成長期環境省ガイドライン[1]
迎えた直後2〜3日は前のフード。そのあと1週間で切り替えヒルズの解説
1日3〜4回から1日2回へ6か月齢を目途にヒルズの解説
子犬用から成犬用へ1〜2歳(大型犬は2歳ごろまで子犬用)ヒルズの解説
成犬用からシニア用へ大型犬6〜7歳、小型犬8〜10歳ごろ環境省ガイドライン

子犬がごはんを食べない・好き嫌いがあるとき

食べないときの目安

ロイヤルカナンの解説[4]では、子犬が1回分のフードを食べないだけなら大きな問題ではないものの、12時間以上食べないときは注意が必要で、長時間食べないと低血糖になりやすいとしています。小型犬は代謝が早いので、特に注意が必要です。2回続けて食べようとしないときは、獣医師の診察を受けるようすすめています。歯が折れているなど、歯の問題や、ごほうび(おやつ)を期待して食べないこともある、とされています。くわしくは、犬がドッグフードを食べない原因で説明しています。

おやつと人の食べ物は控えめに

ヒルズの解説は、フードをあまり食べない、あるいは喜ぶからといって、おやつや人の食べ物を頻繁に与えていると、食べ物にうるさい犬になることがあるとしています。おやつは、トレーニングのごほうびなど、メリハリをつけて、与えすぎないようにしましょう。環境省のガイドライン[1]も、おやつを与えた分だけ、フードを減らすことをすすめています。

こんなときは動物病院へ

すぐ相談してください:2回続けて食べない/12時間以上食べない、何度も吐く、下痢が続く、血が混じる、ぐったりしている、体重が増えない。子犬は、体調を崩したときの変化が早いことがあります。迷ったら、早めに相談してください。

環境省のガイドライン[1]は、日頃の体調管理で見るポイントとして、食欲がない(正常な犬でもフードを1〜2日食べない個体もいますが、積極的に食べない場合は病気の兆候とも考えられます)、散歩に行きたがらなくなった、元気がなくぐったりしている、嘔吐をくりかえす、熱がある(犬の正常な体温は38.0〜39.0℃)、咳がひどい、呼吸の変化、毛のツヤやフケの量の変化、便や尿のにおい・色・回数・量の変化、などを挙げています。

子犬のドッグフードでよくある質問

Q. 大人用のフードをあげても大丈夫?

おすすめしません。環境省のガイドライン[1]は、成犬用を子犬に与えると栄養不足になるとしています。「幼犬期(成長期)」か「オールステージ」の表示がある総合栄養食を選んでください。

Q. 子犬用はいつまで?1歳になったらすぐ変える?

体格によります。一般的に1〜2歳の間で、大型犬は2歳ごろまで子犬用を続けることもあります。迷ったら、かかりつけの獣医師に相談してください。

Q. 1日2回にするのはいつ?

6か月齢を目途に、3〜4回から2回へ減らしていく、とされています。急に変えず、体重と食べ方を見ながら、少しずつ減らします。

Q. 水はどれくらい?

新鮮な水を、いつでも飲めるようにしておきます。水分を多く必要とする子犬には、水分の多いウェットフードが向いているとされています(ヒルズの解説[3])。

Q. 愛犬が太ってきたかも

環境省のガイドラインのBCS(体型の5段階)で、肋骨が触れるか、腰のくびれがあるかを確認します。詳しくはこちら。子犬は成長期なので、自己判断でフードを大きく減らさず、獣医師に相談してください。

まとめ|子犬のごはんは「総合栄養食」+「成長段階」+「少しずつ」

  • フードは、犬用の「総合栄養食」で、「幼犬期(成長期)」または「オールステージ」の表示があるものを選ぶ
  • 迎えた直後の2〜3日は前のフード。切り替えは、1週間ほどかけて少しずつ
  • 回数は1日3〜4回。6か月齢を目途に1日2回へ。大型犬の子犬は、与えすぎとカルシウムに注意
  • ふやかす時間は、歯が生えそろうにつれて、少しずつ短くする
  • 成犬用への切り替えは、1〜2歳ごろ(大型犬は2歳ごろまで子犬用)
  • 2回続けて食べない、12時間以上食べない、吐く・下痢・ぐったりのときは、早めに動物病院へ

あわせて読みたい

この記事の参考情報

本文中の [1] [2] などの数字は、この一覧へのリンクです。一覧の各項目から、元の資料へ移動できます。

  1. 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)(ライフステージの区分・離乳期・カロリーの計算式と計算例・犬の体調管理)第2章(PDF)、第4章 体調管理(PDF)、第5章 Q&A(PDF)。改訂前の版(子犬の成長段階別のカロリー係数、カルシウムとサプリ、味の強いものを覚えること、プレミアムの定義、ふやかしの手順の記述あり)体調管理(PDF)、Q&A(PDF)。2018年に改訂されており、本文で「改訂前の版」と書いた記述は、現行版にはありません
  2. ペットフード公正取引協議会「公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限について」(総合栄養食の定義・成長段階の表示)pffta.org
  3. ヒルズ「知っておきたい子犬の食事ガイド」(迎えた直後の2〜3日・1週間の切り替え・1日3〜4回から6か月齢で2回・大型犬の与えすぎ・ドライとウェット・成犬用への切り替え時期・おやつ)hills.co.jp(メーカーの解説です)
  4. ロイヤルカナン「子犬がごはんを食べない理由」(12時間以上・2回続けて食べないとき)royalcanin.com(メーカーの解説です)
  • フードの量の計算例は説明用の数字で、特定の商品ではありません。環境省の表の「成長中期」などが何か月にあたるかは、確認していません
  • 病気の診断・治療は獣医師が行うものです。この記事は、診断をするものではありません

この記事を書いた人

大手ペットフードメーカーでEC(通販)の責任者を務めている運営者が、公的な資料などをもとにまとめました。社名や特定の商品をすすめる目的ではありません。健康に不安があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。