猫のごはん

子猫のキャットフードの選び方は?成長段階・回数・切り替えの目安

子猫のキャットフードの選び方は?成長段階・回数・切り替えの目安

「子猫を迎えたけど、どのキャットフードを選べばいいの?」
「1日に何回、どれくらいあげるの?」
「子猫用って、いつまで食べさせるの?」

結論から言います。子猫のキャットフードは、①「総合栄養食」と書かれていて、②「幼猫期(成長期・グロース)」または「全成長段階(オールステージ)」の表示があるものを選びます。迎えた直後は、それまで食べていたフードを続けて、落ち着いてから5〜7日かけて切り替えます。回数は、生後6か月ごろまでは1日4回程度が目安です。

この記事では、フードを選ぶときの確認ポイントを表にまとめたうえで、迎えた直後の食事、回数と量の考え方(カロリーの計算例つき)、水やミルク、手作りごはんの注意点、そして動物病院に行く目安まで、順番に説明します。

この記事の読み方(先に結論の一覧です)

  1. フードは「総合栄養食」+「幼猫期(成長期)またはオールステージ」
  2. 迎えた直後は、前のフードを続ける。切り替えは落ち着いてから
  3. 回数は、生後6か月ごろまで1日4回程度
  4. 量は、袋の「与え方」を基本に、体重と体型を見て調整
  5. 新鮮な水をいつでも。牛乳は避けて、必要なら猫用ミルク
  6. 1歳ごろに、成猫用へ少しずつ切り替える

子猫のキャットフードの選び方|袋の表示で確認する5つのポイント

確認する項目を表で整理

ポイント確認すること理由
①猫用か名称に「猫用」とある犬と猫は必要な栄養素が違う(環境省ガイドライン[1])
②目的「総合栄養食」と書かれている毎日の主食として、その成長段階の健康を維持できるよう栄養が調整されたフード(ペットフード公正取引協議会[2])
③成長段階「幼猫期(成長期・グロース)」または「全成長段階(オールステージ)」成長段階の表示は総合栄養食に必ずある(同協議会)
④粒の大きさと硬さ子猫の口に合うサイズか子猫は生後4か月ごろまで乳歯なので、噛みやすい大きさが大切(ロイヤルカナンの解説[4])
⑤賞味期限と内容量開封後に食べ切れる量か子猫は一度に食べる量が少ない(ヒルズの解説[3])

表示の読み方は、キャットフードの原材料・成分の見方で詳しく説明しています。

なぜ「成猫用」ではダメなのか

環境省のガイドラインによると、成長期用のフードは成猫用より、同じ食事量でも多くのエネルギーや成長に必要な栄養がとれるように作られています。そのため、成猫用のフードを子猫に与えると栄養不足になります。反対に、子猫用を成猫になってからも与え続けると、エネルギー過剰で肥満になります。成長段階に合ったフードを選ぶことが、とても大切です。

ロイヤルカナンの解説も、生後4か月までは強い骨格と筋肉をつくるために急速に成長し、タンパク質などの栄養素が必要であること、4か月〜12か月は成長がゆるやかになっても、まだ高いエネルギーが必要なことを説明しています。

ドライとウェット、子猫にはどちらがいい?

どちらも、袋の目的が「総合栄養食」で、成長段階が合っていれば、主食にできます。ヒルズの解説では、猫は一般的に積極的に水を飲むタイプの動物ではないので、ドライフードだけの場合は、水分をとれるウェットフードを取り入れることも考えてよいとしています。

「おやつ」「一般食」「副食」と書かれたウェットフードは、それだけでは栄養が足りないので、主食にはなりません。必ず袋の「目的」の表示を確認してください。

離乳期(生後4週〜2か月ごろ)のフード

離乳から普通食への切り替え時期について、環境省のガイドラインは、離乳期を生後20〜60日ぐらい(やわらかくしたフードを少しずつ与える時期)、成長期を生後50日からとしています。ドライフードをふやかして与えている場合は、歯が生えそろうにつれて、ふやかす時間を少しずつ短くしていきます。ロイヤルカナンの解説では、生後4週間を過ぎると固形フードに興味を示しはじめ、ドライを水や子猫用ミルクでやわらかくして与えられる、としています。

迎えた直後は何を食べさせる?前のフードを続けて、落ち着いてから切り替える

最初の数日は「前と同じ」が基本

ヒルズの解説[3]では、子猫を迎えたときは、まずその子がそれまで食べていたフードを与えるのが一番で、新しい環境に慣れて体調が安定するまでは、別のフードを試すのを待つようにすすめています。ロイヤルカナン[4]も、消化不良や不要なストレスを防ぐため、元のブリーダーや飼い主が与えていたフードを続けるのが最善としています。

前のフードが分からないときは、動物病院やお迎え先に聞いてみましょう。

切り替えるなら、5〜7日かけて少しずつ

落ち着いてから切り替えるときは、これまでのフードに新しいフードを混ぜて、少しずつ割合を増やします。期間は、ヒルズの解説で5〜7日程度、ロイヤルカナンの解説で7日間です。

日数今のフード新しいフード
1〜2日目75%25%
3〜4日目50%50%
5〜6日目25%75%
7日目〜0%100%

※割合の表は、一般的に紹介されている目安です。割合そのものを、公的機関が定めたものではありません。うんちがゆるくなったら、1つ前の割合に戻して、数日様子を見ます。混ぜ方の考え方とグラム計算は、ドッグフードの切り替え方の記事も参考になります(犬の記事ですが、混ぜて少しずつ増やす考え方は同じです)。

子猫のごはんの回数と量|1日4回、量はカロリーの参考値で確認

回数:生後6か月ごろまでは1日4回程度

子猫は一度に食べられる量が少ないので、少量を頻繁に与えます。ヒルズの解説[3]では、生後6か月ごろまで、1日量を4回程度に分けて与えるとしています。月齢が進むにつれて、回数は少しずつ減らしていきます。

量:袋の「与え方」を基本に、カロリーの参考値で確認

量の基本は、フードの袋にある「与え方」の表です。ヒルズの解説も、どのフードでも、パッケージの与え方を参考にして与えすぎに気をつけるよう書いています。

そのうえで、環境省の改訂前の版のガイドライン[1]には、子猫の週齢ごとの、猫のカロリー必要量の参考値が載っていました(現行の2018年版では、成猫の簡易式に変わり、子猫の週齢別の係数は載っていません)。体重(kg)に、週齢ごとの係数をかける計算です。

週齢係数体重の例1日のカロリー(参考値)フードの量(例:100gあたり400kcal)
10週齢2501.0kg250kcal約63g
20週齢1302.0kg260kcal約65g
30週齢1003.0kg300kcal約75g
40週齢(活発)803.5kg280kcal約70g

※係数は、環境省の改訂前の版の猫のカロリー必要量(参考値)にもとづきます。現行の2018年版は、RER(体重×30+70)に係数をかける式を示しており、避妊去勢済みの猫の例(係数1.2)では、体重5kgで約264kcalです。右端の「フードの量」は、100gあたり400kcalと仮定した説明用の例で、特定の商品ではありません。実際のフードのカロリーは、袋の表示を確認してください。

ここがポイント:環境省のガイドラインは、給与量は目安で、必要な栄養の量は季節や運動量、性別、避妊去勢の有無などによって変わるとしています。定期的に体重をはかり、理想的な体型を維持できるよう、量を調節してください。週に1回ほど体重を測ると、増えすぎ・減りすぎに気づけます。

体型チェック:ガイドラインのBCSで見る

環境省のガイドラインは、猫の体型を、BCS(ボディコンディションスコア)という5段階で紹介しています。理想は「3」で、肋骨は触れるが見ることはできない、上から見て肋骨の後ろに腰のくびれがわずかに見られる、という状態です。子猫は成長期なので、体重が増えていくのが普通ですが、骨が浮いて見える、肋骨が触れないほど脂肪がついていると感じたら、獣医師に相談しましょう。

子猫用フードの原材料・成分の見方|チキン・まぐろ・添加物・ビタミンとミネラル

「チキン」「まぐろ」と書いてあっても、中心の原材料とは限らない

ペットフード公正取引協議会[2]の規約では、「チキン」「ビーフ」「まぐろ」など特定の原材料は、内容量の5%以上使っているときでなければ、商品名・絵・写真・説明文で「使っている」と表示できません。逆に言えば、パッケージの写真にある魚やチキンが、主な原材料とは限りません。原材料欄の順番(添加物以外は使用量の多い順)で確かめましょう。

たんぱく質・ビタミン・ミネラルは「総合栄養食」で確認

子猫に大切なたんぱく質(ロイヤルカナンの解説)や、ビタミン・ミネラル類(ヒルズの解説[3]では、理想的な子猫用フードは、子猫が必要とするビタミン・ミネラル類をすべて含むもの)は、袋の数字を自分で足し算して確かめるより、「総合栄養食」で成長段階が合っているフードを選ぶのが確実です。成分欄の「たんぱく質○%以上」は、袋に入っている状態のおおよその数字です。ウェットとドライを比べるときは、水分を除いた乾物換算にします(計算式はキャットフードの原材料・成分の見方)。

添加物は、用途名も一緒に書かれる

添加物は、原材料とは分けて書かれます。保存料・酸化防止剤・着色料などは、用途名もあわせて書くルールです。気になる添加物があるときは、袋の事業者名と住所を確認して、メーカーに問い合わせることもできます。

人気ランキングや「安全」「No.1」の言葉だけで選ばない

市販のフードを選ぶとき、ランキングや口コミが気になるのは自然です。ただし、規約は、客観的な根拠がないのに「最高」「No.1」などと表示することや、競合のフードを根拠なく「危険」「有害」と表現することを、不当な表示として禁じています。言葉の印象ではなく、「目的」「成長段階」の表示と、愛猫の食いつき・うんち・体重で判断してください。迷うときは、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

水・ミルク・手作りごはんの注意点

水はいつでも飲めるように

ヒルズの解説[3]では、水分不足は脱水につながり、腎臓をはじめさまざまな臓器に負担をかけ、尿石症や便秘の要因にもなるとしています。猫は積極的に水を飲むタイプではないので、新鮮な水をいつでも飲めるようにして、あまり飲まないときは、器の素材を変える、水の器を数か所に置く、流れる水を好む子には自動給水器を使う、といった工夫をすすめています。

牛乳はあげない。ミルクは「猫用」を

ヒルズの解説では、牛乳には猫が消化しにくい乳糖が含まれていて、下痢をすることがあるため、ミルクを与えたいときは、猫向けに調整されたミルクを使うよう書いています。

手作りごはん・生肉は、獣医師に相談してから

ロイヤルカナンの解説[4]では、専門家による栄養計算をしていない手作りの食事は、成長に必要な栄養素のバランスが保証されないこと、生の食品は食中毒の原因になる細菌などに汚染されている可能性があることを挙げています。ヒルズの解説も、生肉ベースのフードや手作り食は、与える前に獣医師に相談するようすすめています。子猫は、栄養が少し偏るだけでも影響が出やすいので、特に慎重に。

子猫のごはんはいつまで?成猫用への切り替え時期

ヒルズの解説[3]では、一般的に1歳くらいで子猫用から成猫用に切り替えるとよいとしています。ただし、猫の体格や健康状態で変わります。切り替えるときも、同じように、これまでのフードに少しずつ混ぜて増やします。環境省のガイドライン[1]では、中高齢期(シニア用への切り替えの目安)を約8〜10歳以降としています。

時期目安根拠
離乳食から普通食へ生後20〜60日ぐらいが離乳期、生後50日から成長期環境省ガイドライン
1日4回の目安生後6か月ごろまでヒルズの解説
子猫用から成猫用へ1歳くらいヒルズの解説
成猫用からシニア用へ約8〜10歳以降環境省ガイドライン

子猫がごはんを食べない・体調が心配なとき

環境省のガイドライン[1]は、猫で注意する点として、次のような様子を挙げています。食欲がない(3日以上食欲がないと、健康に影響が出る危険があります)、休みなく鳴いている、1日以上1か所に隠れて出てこない、元気がなくぐったりしている、嘔吐をくりかえす、熱がある(猫の正常体温は38.0〜39.0℃)、水を飲む量が異常に多い(少ない)、便や尿のにおい・色・回数・量の変化、毛玉を頻繁に吐く、高いところに登りたがらなくなったなどです。

こんなときは、動物病院へ:食べない状態が続く、何度も吐く、下痢をくりかえす、ぐったりしている、血が混じる、1日以上隠れて出てこない。子猫は体が小さく、体調を崩したときの変化が早いことがあります。迷ったときは、早めに相談してください。

ヒルズの解説[3]では、猫が急に食べなくなったり、反対に食欲が著しく増えたりしたとき、飼い主の判断だけでフードを変えたり、おやつで補ったりせず、まず獣医師に診てもらうことをすすめる獣医系大学の見解が紹介されています。

子猫のキャットフードでよくある質問

Q. 大人用のフードをあげても大丈夫?

おすすめしません。環境省のガイドライン[1]は、成猫用を子猫に与えると栄養不足になるとしています。子猫には、「幼猫期(成長期)」か「オールステージ」の表示がある総合栄養食を選んでください。

Q. 子猫用フードはいつまで?1歳を過ぎたら変えないとダメ?

1歳くらいが目安ですが、体格や体調で変わります。体重が増えすぎるときは、早めに成猫用への切り替えを獣医師に相談してもよいでしょう。環境省のガイドラインでは、子猫用を成猫に与え続けるとエネルギー過剰で肥満になるとしています。

Q. 回数を減らすのはいつから?

生後6か月ごろまで1日4回程度が目安とされています。それ以降は、体重と食べ方を見ながら、少しずつ回数を減らします。急に変えないでください。

Q. 下痢をしたらフードを変えるべき?

フードの切り替えが急だったことが原因の場合もありますが、病気の可能性もあります。下痢が続く、血が混じる、元気がないときは、フードを変える前に動物病院へ。

Q. ミルクはいつまで?

ミルクを与えるときは、牛乳ではなく、猫向けに調整されたミルクを使います(ヒルズの解説[3])。いつまで与えるか、どれくらい与えるかは、月齢や体調で変わるので、かかりつけの獣医師に確認してください。この記事では、期間や量の目安は確認できていません。

まとめ|子猫のごはんは「総合栄養食」+「成長段階」+「少しずつ」

  • フードは、猫用の「総合栄養食」で、「幼猫期(成長期)」または「オールステージ」の表示があるものを選ぶ
  • 迎えた直後は、前のフードを続ける。切り替えは落ち着いてから、5〜7日かけて少しずつ
  • 回数は、生後6か月ごろまで1日4回程度。量は、袋の「与え方」と、体重・体型で調整
  • 新鮮な水をいつでも。牛乳は避けて、必要なら猫用ミルク
  • 手作りごはん・生肉は、栄養バランスと衛生面の心配があるので、獣医師に相談してから
  • 食べない、吐く、下痢、ぐったりのときは、早めに動物病院へ

あわせて読みたい

この記事の参考情報

本文中の [1] [2] などの数字は、この一覧へのリンクです。一覧の各項目から、元の資料へ移動できます。

  1. 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)(ライフステージの区分・離乳期・猫のカロリーの計算式と計算例・猫のBCSと体型・猫の体調管理で注意する点)第2章(PDF)、第4章 体調管理(PDF)、第5章 Q&A(PDF)。改訂前の版(子猫の週齢別のカロリー係数の記述あり)体調管理(PDF)
  2. ペットフード公正取引協議会「公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限について」(総合栄養食の定義・成長段階の表示)pffta.org
  3. ヒルズ「子猫の食事にまつわるエトセトラ」(5〜7日の切り替え・生後6か月まで1日4回程度・水分・牛乳・生肉や手作り食への注意)hills.co.jp、同「キャットフードの切り替えタイミングや切り替え方法」(1歳くらいで成猫用へ)hills.co.jp(いずれもメーカーの解説です)
  4. ロイヤルカナン「子猫に与えるべき餌の食事と種類・切り替え時期」(生後4週ごろの固形食・乳歯と粒の大きさ・前のフードを続ける・7日間での切り替え・手作り/生食のリスク)royalcanin.com(メーカーの解説です)
  • 環境省のガイドラインは2018年に改訂されています。[1]の最初のリンク群が現行の2018年版です。子猫の週齢別のカロリー係数の表は、改訂前の版の内容で、現行版には載っていません。シニア用への切り替えの目安(約8〜10歳以降)と、猫で注意する点は、現行版に合わせています
  • 割合の表、「子猫は体調の変化が早いことがある」という説明は、公的資料では確認できていない一般的な目安です。フードの量の計算例は説明用の数字で、特定の商品ではありません
  • 病気の診断・治療は獣医師が行うものです。この記事は、診断をするものではありません

この記事を書いた人

大手ペットフードメーカーでEC(通販)の責任者を務めている運営者が、公的な資料をもとにまとめました。社名や特定の商品をすすめる目的ではありません。健康に不安があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。