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猫の毛玉ケアはキャットフードで変わる?ブラッシング・食事・吐くときの受診目安

猫の毛玉ケアはキャットフードで変わる?ブラッシング・食事・吐くときの受診目安

「最近よく毛玉を吐く。これって普通?」
「毛玉ケアのフードに変えたら減る?」
「吐こうとするのに出ない。病院に行くべき?」

結論から言います。猫が毛玉を吐くこと自体は、自然な生理現象です[1]。対策の基本は、ブラッシングで飲み込む毛を減らすこと。毛玉ケア用のフードは、そこに足す「補助」です。ただし、吐こうとして何も出ない状態が続くときは、様子見をせず動物病院へ。

この記事では、毛玉ができる仕組み、吐く頻度の目安、受診のサイン、ブラッシングとフードの両面からの対策を、メーカー・保険会社が公開している獣医師監修の資料をもとに整理します。

先に確認:こんなときは、毛玉の問題として様子を見ず、動物病院へ

  • 吐こうとする様子を繰り返すのに、何も出ない
  • 食欲がまったくない(大好物にも反応しない)
  • 便が出ておらず、ぐったりしている
  • お腹が張って硬い、触られるのを極端に嫌がる
  • 呼吸が苦しそう、歯茎の色が白っぽい

これらは、毛球症(毛のかたまりが胃や腸にたまる病気)や腸閉塞が進んでいる可能性があるサインで、「時間との勝負になる場合もある」と、ヒルズ(メーカー)の解説は注意しています[1]。迷ったときは、すぐかかりつけの動物病院に相談してください。

この記事の読み方(順番に説明します)

  1. 毛玉ができる仕組みと、なりやすい猫
  2. 吐く頻度は?様子見でよい目安
  3. 病院に行く目安と、毛球症のこと
  4. 対策①:ブラッシング(いちばん効果的)
  5. 対策②:毛玉ケアのキャットフード
  6. 猫草・サプリ(毛球除去剤)の考え方
  7. よくある質問

猫の毛玉ができる仕組み|なぜ吐くのか、なりやすい猫は

毛づくろいで飲み込んだ毛が、胃でかたまりになる

猫の舌の表面には、「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」という小さな突起が並んでいます。櫛のように毛をとかして抜け毛を絡めとりますが、突起は喉の奥に向かって生えているため、絡めた毛をそのまま飲み込んでしまいます[1]。

飲み込んだ毛の多くは、便と一緒に出ていきます。ところが量が多いと胃の中で絡み合い、フェルト状のかたまりになります。これが毛玉(正式には毛球=ヘアボール)で、猫は吐いて外に出そうとします[1][2]。

毛玉ができやすい猫・増える時期

タイプ理由
長毛種(ペルシャ、メインクーン、ラグドール、ノルウェージャンフォレストキャットなど)毛の量が多く、1回の毛づくろいで飲み込む量も多い[1]
換毛期の猫(目安:3〜5月頃、9〜11月頃)抜け毛が増える。ただし室内飼いは気温の変化が少なく、年間を通じて抜けるともいわれる[1][2]
よくなめる猫皮膚病、体の痛み、ストレスで、同じ場所を過剰になめることがある[2]

最後の行は大事です。毛玉の多さの裏に、皮膚の病気や痛み、ストレスが隠れていることがあるので、毛づくろいが急に増えたら、フケ・脱毛・皮膚の赤みもあわせて見てあげてください。

猫が毛玉を吐く頻度は?様子見でよい目安

月1〜2回が一般的な目安(猫によって大きく違う)

ヒルズの解説では、毛玉を吐く頻度の一般的な目安は月に1〜2回程度。ただし猫による差が大きく、換毛期以外はほとんど吐かない猫もいれば、月2〜3回吐く猫も珍しくない、としています[1]。

一方、アニコム損保の解説(獣医師監修)では、健康な猫でも「1〜2週間に1回くらいは毛玉を吐くことがある」とされ、年に2回以上吐く猫の割合は、短毛種で約25%、長毛種で約半数という報告も紹介されています[2]。資料によって目安に幅があるので、回数そのものより、次の2点で判断してください。

様子見でよいと考えられる状態

  • 吐いたあと、いつもどおり元気で、食欲もある
  • 便の状態に変化がない
  • 前より回数が増えたわけではない

逆に、毛玉をほとんど吐かないからといって安心とも限りません。飲み込んだ毛が便と一緒に出ていれば問題ありませんが、長毛種で毛づくろいをよくするのに毛玉をほとんど吐かない場合も、ヒルズは注意を促しています[1]。

吐いた毛玉の大きさ・色もチェック

毛玉の大きさは一般に2〜3cm程度ですが、10cmを超えることもあります。大きなものは便秘や腸閉塞の原因になりうるため、獣医師に相談を、とされています[1]。色は、猫の毛色か、胃液で茶色っぽくなったフェルト状が正常範囲です。

こんな様子があれば受診を
鮮やかな赤い血が混じっている
黒っぽく、コーヒーかすのようになっている
黄色や緑色(胆汁)が多く含まれる
極端に大きい毛玉が出る
未消化のフードが大量に混じる
毛玉ではなく、透明・白い泡だけを繰り返し吐く

(出典:ヒルズの解説[1]。吐く原因は毛玉だけではありません。毎日のように吐く場合は、毛玉と決めつけず受診してください。)

毛玉で動物病院に行く目安と、毛球症とは

受診した方がよいサイン

アニコム損保の解説では、毛玉を吐くことは珍しくないとしたうえで、次のような症状があれば病気の可能性もあるので受診をすすめています[2]。

  • 元気がない
  • 吐こうとしているが何も出ない
  • 異物が混ざっている、血が混ざっている
  • 繰り返し吐いている
  • 排便の状態がふだんと違う

あわせて、過剰な毛づくろい、フケが多い、毛が抜けて皮膚が見えている場合も受診をすすめています[2]。

毛球症(もうきゅうしょう)とは

毛球症は、飲み込んだ毛を吐き出せず、便としても出せないまま、胃や腸の中で大きなかたまりになり、消化や排泄を妨げる状態です[1]。アニコム損保の解説では、次のように説明されています[2]。

  • 吐く仕草はあるのに吐けない、または食べたものも吐く。続くと食欲が落ち、体重も減る
  • 胃の毛球が腸へ流れると腸閉塞を起こすことがあり、吐き気が止まらない、便が出ずぐったり、といった症状で緊急対応が必要になる
  • 毛球が小さければ毛球除去剤で便と一緒に出す方法もあるが、大きい場合や腸に詰まった場合は、内視鏡や手術で取り出す必要がある

注意:すでに詰まっている疑いがあるときに、猫草などで無理に吐かせようとするのは逆効果になる、とヒルズは注意しています[1]。「吐かせる」前に、まず病院へ。

猫の毛玉対策①ブラッシング|いちばん効果的な方法

頻度の目安とブラシの選び方

ヒルズも、アニコム損保も、毛玉ケアで最も効果的なのは日々のブラッシングとしています[1][2]。毛づくろいの前に抜け毛を取っておけば、飲み込む量そのものが減るからです。

頻度の目安向いているブラシ
短毛種週2〜3回ラバーブラシ、獣毛ブラシ
長毛種毎日スリッカーブラシ、コーム
換毛期さらにこまめに—

(頻度・ブラシはヒルズの解説[1]より。あくまで目安で、猫の毛質や嫌がり方に合わせて調整してください。)

ブラッシングのコツと注意点

  • 背中から尾に向かって、毛並みに沿って。お腹など嫌がる部分は最後に、短時間で[1]
  • 長毛種は、表面の抜け毛を軽く取ってからコームで奥の絡みをとく。絡んだ毛は無理に引っ張らず、周りから少しずつほぐす[2]
  • 毛質がやわらかい猫に金属のスリッカーブラシを使うと毛を傷めることがある。先端が丸いブラシや獣毛ブラシも選択肢[2]
  • 体に残った抜け毛は、猫がまた舐めて飲み込まないよう、少し湿らせたタオルやコロコロで取る[2]
  • すでにフェルト状に固まった毛玉は、無理にほぐさず、トリマーや動物病院で処理してもらうのが安全[1]

シャンプーで抜け毛を一気に洗い流す方法もありますが、頻度が高すぎると皮膚の乾燥やバリア機能の低下につながるおそれがあるため、注意が必要です[1]。嫌がる猫に無理は禁物で、難しければ動物病院やトリミングサロンに相談しましょう。

猫の毛玉対策②毛玉ケアのキャットフード|効果と選び方

毛玉ケアフードの仕組み

パッケージに「毛玉ケア」「ヘアボールケア」と書かれたフードには、食物繊維が配合されています。飲み込んだ毛を、便と一緒に排出しやすくする設計です[1]。アニコム損保の解説では、可溶性食物繊維で粘り気のあるサイリウムや、不溶性食物繊維など、複数の食物繊維が使われ、こうした食事で便中に排泄される毛の量が2倍に増えた、という報告もあると紹介されています[2]。

ここは冷静に:毛玉ケアフードは、毛を「出しやすくする」ためのものです。飲み込む毛そのものは減らせません(そこはブラッシングの役目)。また、2倍という数字は1つの報告で、すべての猫・すべての商品に当てはまるわけではありません。

選ぶときの5つのポイント

ヒルズの解説にある、毛玉ケア用フードを選ぶときの確認点です[1]。

確認すること見る場所
「毛玉ケア」「ヘアボールコントロール」「毛球排出サポート」などの表記があるパッケージ表面
粗繊維が、一般的な総合栄養食より高めに設定されている成分表示
消化のよい動物性タンパク質が主原料原材料表示
体重管理に配慮したカロリー設計かカロリー表示・商品説明
年齢(子猫・成猫・シニア)に合っている対象年齢の表示

成分表示の読み方はキャットフードの原材料・成分の見方、年齢に合うフードはシニア猫のキャットフード・子猫のキャットフードで説明しています。「総合栄養食」であることは、毛玉ケアフードでも確認してください。

切り替えは1週間くらいかけて

急な切り替えは消化不良の原因になります。アニコム損保は、1週間くらいかけて少しずつ変更することをすすめています[2]。ヒルズも、今のフードに新しいフードを少し混ぜるところから、少しずつ割合を増やすとしています[1]。猫のフードの切り替えは、環境省のガイドラインでも少しずつ、1〜2週間ほどとされています[3]。便が軟らかくなったら、前の段階に戻してください。

猫草・サプリ(毛球除去剤)は使っていい?

資料に書かれていること注意点
猫草葉のチクチクした食感で胃を刺激し、吐き出しを促す効果があるとされる[1]。腸の動きを促すともされる[2]刺激が強く、嘔吐が増えすぎたり、胃を荒らしたり、消化不良を起こす場合がある。詰まっている疑いがあるときは使わない[1][2]
毛球除去剤(チューブタイプなど)ワセリンや流動パラフィンが主な成分で、飲み込んだ毛の流れをよくし、便で出しやすくする。少量で、猫が好んでなめることが多いとされる[2]サプリは獣医師に相談のうえ取り入れる、とヒルズは案内[1]

環境省のガイドラインでも、本来、総合栄養食を与えている場合は栄養分の不足はおこりにくいとされ、複数の健康補助食品を使うときは悪影響が出ることがあるので獣医師に相談するよう案内されています[3]。「毛玉が気になるから」と自己判断で足す前に、まずブラッシングとフードを見直すのが順番です。

猫の毛玉ケア:よくある質問

Q. 毛玉ケアのフードに変えれば、ブラッシングはしなくていいですか?

いいえ。フードは飲み込んだ毛を出しやすくする補助で、飲み込む量は減らせません。ヒルズ・アニコム損保ともに、最も効果的な対策はブラッシングとしています[1][2]。

Q. 毛玉を全然吐かない猫は、大丈夫ですか?

飲み込んだ毛が便と一緒に出ていれば問題ありません[1]。ただし、吐こうとしても出ない、食欲が落ちる、便が出ない、といった変化があれば受診してください。

Q. 毛玉を吐く回数が、急に増えました

「以前より増えた」こと自体が、獣医師に相談するサインのひとつです[1]。換毛期でないか、皮膚のトラブルや過剰な毛づくろいがないかを確認し、続くようなら受診してください。

Q. 子猫やシニア猫にも毛玉ケアフードは使えますか?

年齢に合ったものを選ぶ、というのが資料の考え方です[1]。子猫・シニア猫それぞれについて、毛玉ケアフードの使い方まで書いた資料は今回確認できていません。獣医師に相談してください。年齢別の選び方は子猫・シニア猫の記事にまとめています。

Q. 毎日吐きます。毛玉でしょうか?

毎日のように吐く、週に何度も吐く場合は、毛玉ではなく消化管の異常の可能性もあります[1]。毛玉と決めつけず、受診してください。食べたあとに吐く、食べないといった悩みは猫がキャットフードを食べない原因も参考にしてください。

まとめ|対策の基本はブラッシング。フードは「出しやすくする」補助

  • 毛玉は、毛づくろいで飲み込んだ毛のかたまり。吐くこと自体は自然な生理現象
  • 吐く頻度の目安は資料によって幅がある(月1〜2回/1〜2週間に1回など)。回数より「元気・食欲・便」と「前より増えたか」で判断
  • 吐こうとして出ない、食欲がない、便が出ない、お腹が張る場合は、毛球症・腸閉塞の可能性があり、すぐ受診
  • いちばん効果的なのはブラッシング(短毛種は週2〜3回、長毛種は毎日が目安)
  • 毛玉ケアフードは、飲み込んだ毛を便で出しやすくする補助。切り替えは1週間くらいかけて
  • 猫草・毛球除去剤は、詰まりの疑いがあるときは使わず、サプリは獣医師に相談

あわせて読みたい

この記事の参考情報

本文の[1][2][3]をクリックすると、下の番号にジャンプします。各項目から、元の資料に移動できます。

  1. ヒルズペット「猫が毛玉を吐く理由と対策|吐かない場合のリスクも解説」。毛玉の仕組み、吐く頻度の目安、毛玉の色・大きさ、危険なサイン、ブラッシング、フードの選び方、猫草・サプリ hills.co.jp(ペットフードメーカーによる解説です。公的機関の資料ではありません)
  2. アニコム損害保険「猫が毛玉を吐く理由は?受診の目安と対処法を解説!」(2025年6月3日更新。監修:溝口やよい獣医師)。吐く頻度の報告、受診の目安、毛球症、ブラッシング、毛球除去剤、毛玉ケアフード anicom-sompo.co.jp(ペット保険会社が公開する、獣医師監修の記事です。公的機関の資料ではありません)
  3. 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年版)フードの切り替え方(第2章)、サプリメントの考え方(第5章Q&A) 第2章(PDF)、Q&A(PDF)
  • 毛玉ケアフード・猫草・毛球除去剤の効果を調べた公的機関の資料や研究論文は、今回は確認できていません。「便中の毛が2倍」は、アニコム損保の記事が紹介する報告で、元の論文は確認していません
  • 吐く頻度の目安は、ヒルズ(月1〜2回)とアニコム損保(1〜2週間に1回くらい)で違いがあります。どちらが正しいかは確認できていません
  • 子猫・シニア猫の毛玉ケア、毛球除去剤の使用量、特定の商品の効果は、今回の資料では確認できていません
  • 病気の診断・治療は獣医師が行うものです。この記事は、診断をするものではありません

この記事を書いた人

大手ペットフードメーカーでEC(通販)の責任者を務めている運営者が、公的な資料や獣医師監修の資料をもとにまとめました。社名や特定の商品をすすめる目的ではありません。健康に不安があるときは、かかりつけの動物病院に相談してください。