
「好きな人の前だと、つい自分を作ってしまう……」
そんな風に、人間関係の中でモヤモヤした経験はありませんか?
周りにいるおとなしそうな人が、実は違う一面を持っていることに気づいて戸惑ってしまうこと、私たちにもありますよね。
また、自分自身が相手によく思われたくて、ついおとなしく振る舞ってしまうことに悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そんな時に頭に浮かぶ「猫かぶり」という言葉について、本当の意味や使い方、そしてどうやって付き合っていけばいいのかを一緒に見ていきます。
最後まで読んでいただければ、周りの人や自分自身の心をもっと優しく受け止められるようになりますよ。
それでは、さっそく探っていきましょう。
「猫かぶり」の本当の意味とは?

また、そうやって振る舞っている人のことを直接指す言葉でもあるんですね。
辞書などを引いてみると「猫被り」として載っている、とても一般的な日本語表現なんです。
現代では「猫をかぶる」という言葉とほぼ同じ意味で使われているとされています。
「あの人、猫かぶりだよね」と言うときは、単に元から静かな性格の人を指すわけではありません。
意図的に本来の自分を隠して、よく見せようとしているというニュアンスが含まれているんですね。
だからこそ、相手に対して直接使ってしまうと、「取り繕っている」「ぶりっ子している」というネガティブな意味で受け取られてしまうことも多いので、少し注意が必要かもしれません。
どうしてそのような意味になったのでしょうか?

実は、この言葉の成り立ちにはいくつかの説があると言われています。
猫の性格に由来するという説
一番よく知られているのは、やはり動物の「猫」から来ているという説です。猫って、普段はとってもおとなしくて可愛らしいですよね。
でも、いざネズミを見つけたりすると、突然爪を立てて野生の本能をむき出しにすることがあります。
そのように、普段はおとなしく見せているのに、実は違う本性を持っている様子を例えたという見方があります。
私たちも、人前でちょっと爪を隠してしまうこと、ありますよね。
ちなみに英語でも、これに近い表現として「hide one’s claws(爪を隠す)」という言い方があるそうです。
国が違っても、同じような表現があるなんて面白いですよね。
「寝茣蓙(ねござ)」に由来するという説
もう一つ、ちょっと意外な説もあるんです。昔の人が寝るときに使っていた「寝茣蓙(ねござ)」という敷物があります。
これを頭からかぶって、自分の姿や本来の性格をすっぽりと覆い隠してしまう様子から、「ねござかぶり」となり、それがいつしか「ねこかぶり」に変化したのではないか、とも言われています。
どちらの説にしても、「本当の自分を何かで覆い隠す」という意味合いがしっかりと込められているんですね。
「知っていて知らないふり」をするという意味も
また、性格を隠すだけでなく、「実は知っているのに、わざと知らないふりをする」という意味で使われることもあります。都合の悪い場面で、あえておとなしくしてやり過ごそうとする人間の心理が表れているのかもしれませんね。
誰にでも、そんな風に自分を守ろうとする瞬間はあるのではないでしょうか。
日常で見かける3つのパターンと似た言葉

もしかしたら、「あ、これ私のことかも!」と思い当たる場面があるかもしれませんね。
パターン1:職場でのおとなしい態度
例えば、新しい職場に入ったばかりのAさんがいたとします。Aさんは最初はとてもおとなしくて、会議でもニコニコと話を聞いているだけでした。
でも、半年経って職場に慣れてくると、実はとても意見をはっきり言うパワフルな人だったことがわかりました。
このような場合、「Aさん、最初は猫かぶりだったんだね」と周りから言われることがあります。
ビジネスや対人関係の文脈では、波風を立てないように、最初は自分を抑えているということがよくありますよね。
決して悪気があるわけではなく、環境に適応するための防衛本能なのかもしれません。
パターン2:恋愛やデートでの「いい子」アピール
好きな人の前では、誰だって自分を少しでも良く見せたいですよね。デートの時だけ、言葉遣いが急に丁寧になったり、少食になったりするのも、ある種の「猫かぶり」と言えます。
この場合は、「ぶりっ子」や「いい子ぶる」「気取る」といった類語ととても近い意味合いになります。
Web上やSNSなどでは、こうした態度に対してややネガティブな反応が寄せられることも少なくありません。
「本当の自分を出してくれない」と寂しく感じてしまう人が多いからかもしれませんね。
パターン3:キャラクターの魅力としてのギャップ
最近では、アニメや漫画などの創作物の世界でもよく使われているようです。「pixiv百科事典」などを見ると、キャラクターの属性や人物タグとして使われることもあるとされています。
普段は優しくておしとやかなキャラクターが、実は裏の顔を持っていたり、戦闘になると性格が豹変したり。
そういう二面性は、むしろキャラクターの「魅力的なギャップ」として楽しまれているんですね。
現実世界では少しネガティブに捉えられがちな言葉も、フィクションの世界では魅力に変わるなんて、とても不思議ですよね。
似ているようで違う「借りてきた猫」
ちなみに、「猫」を使った似たような言葉に「借りてきた猫」という表現があります。これって同じ意味なのかな?と迷ってしまいますよね。
実は、「借りてきた猫」は「緊張して、普段と違っておとなしくなってしまっている状態」を指します。
つまり、意図的に本性を隠して演じているわけではなく、ただ萎縮してしまっているだけなんですね。
自分から隠しているのか、環境のせいで隠れてしまっているのか、というところに大きな違いがあるんです。
この違いを知っておくと、言葉の使い分けがもっと楽しくなるかもしれませんね。
本性を隠す気持ちを優しく受け止める
ここまで、「猫かぶり」という言葉について様々な角度から見てきました。最後に、大切なポイントをいくつか整理しておきましょう。
- 本来の自分を隠して、意図的におとなしく見せること
- 「知っているのに知らないふりをする」という意味もある
- 語源は、猫の本性や、寝茣蓙(ねござ)をかぶる姿など諸説ある
- 「ぶりっ子」のようにネガティブなニュアンスで使われることが多い
- 「借りてきた猫」とは違い、意図的に演じている点が特徴
相手から「猫をかぶっている」と言われてしまうと、少しドキッとするかもしれませんが、言葉の奥にある意味を知ると、人間関係の機微が見えてきて面白いですよね。
そのままでも、少しずつでも大丈夫ですよ
「自分はもしかして、人前で猫かぶりをしてしまっているのかな?」そう気づいて、自己嫌悪に陥ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でも、安心してくださいね。
私たちが本性を隠していい子に振る舞ってしまうのは、「相手を不快にさせたくない」「嫌われたくない」という優しい気遣いの裏返しでもあるんです。
最初から100%の自分をさらけ出せる人なんて、そうそういませんよね。
少しずつ時間をかけて、安全な場所だとわかってから、ゆっくりと自分らしさを出していけばいいんです。
もし周りにそういう人がいたら、「今はまだ様子を見ているんだな」と、温かく見守ってあげてほしいと思います。
あなたも、相手も、自分のペースで少しずつ心を開いていけたら、それが一番ですよね。
これからも、無理のない範囲で、あなたらしい人間関係を築いていってくださいね。
応援していますよ。