猫の前庭疾患で寿命は縮む?

猫の前庭疾患で寿命は縮む?

愛猫が突然ふらふらと歩き出したり、首が傾いたままになったりすると、とても驚いてしまいますよね。
「もしかして、このまま命に関わるのでは…」と、不安で胸がいっぱいになる飼い主さんも多いと思います。
でも、安心してくださいね。
猫の前庭疾患の多くは、適切なケアをしてあげれば少しずつ回復し、元の生活に戻れる可能性が高いと言われているんです。
この記事では、愛猫の寿命への影響や、おうちでできる優しいケアの方法について詳しくお伝えします。
これを読めば、今の不安が和らぎ、愛猫のために今すぐしてあげられることがきっと見つかるはずですよ。
一緒に見ていきましょう。

前庭疾患そのものが命を奪うことは稀とされています

前庭疾患そのものが命を奪うことは稀とされています

愛猫がぐるぐると同じ方向に回っていたり、目が細かく揺れていたりするのを見ると、「このまま寿命が尽きてしまうのではないか」と怖くなってしまいますよね。
ですが、猫の前庭疾患は、多くのケースで寿命を縮めない病気とされています。
実は、適切なケアをしてあげれば、2〜3週間ほどで回復し、元通りの生活に戻れることが多いと言われているんです。

もちろん、見ている私たちにとってはとても辛い症状ですが、猫ちゃん自身も乗り物酔いのような感覚で戸惑っている状態なんですね。
命にすぐ直結するものではないことが多いので、まずは飼い主さんが深呼吸をして、落ち着いて見守ってあげることが大切かもしれませんね。

原因によって寿命への影響が大きく変わる理由

原因によって寿命への影響が大きく変わる理由

多くの場合は寿命に影響しないとお伝えしましたが、実は「何が原因で前庭疾患になっているか」によって、予後は大きく変わってくるとされています。
ここでは、大きく2つのタイプについて一緒に見ていきましょう。

多くのケースは原因不明の「末梢性」

前庭というのは、耳の奥にある体のバランスをとる器官のことなんですね。
この耳側にトラブルが起きることを「末梢性前庭疾患」と呼びます。
中でも、検査をしてもはっきりした原因が見つからないものを「特発性前庭障害」と呼び、猫ちゃんにはこれがとてもよく見られるとされています。
この特発性の場合、年齢に関わらず発症しますが、寿命への直接的な影響は少ないと言われているんです。

脳に原因がある「中枢性」の場合は要注意

一方で、少し心配なのが「中枢性前庭疾患」と呼ばれるタイプです。
こちらは、耳ではなく脳幹など脳のほうに原因があるんですね。
同じようなふらつきの症状でも、その裏に脳腫瘍や脳梗塞など、命に関わる別の病気が隠れているケースがあるとされています。
この場合は、原因となっている病気の治療が必要になり、寿命への影響も大きくなってしまうかもしれません。
だからこそ、「単なるふらつきだろう」と自己判断せずに、獣医さんにしっかり診てもらうことが大切なんですね。

愛猫の寿命を守りながら支える3つのケア事例

愛猫の寿命を守りながら支える3つのケア事例

それでは、愛猫が特発性前庭障害になった場合、おうちでどんなサポートをしてあげればいいのでしょうか。
寿命を全うするまで、穏やかに過ごしてもらうための具体的なケア方法を3つご紹介しますね。

1. 乗り物酔いのような辛い初期を乗り切る

発症して最初の数日は、ひどいふらつきや吐き気が出ることが多いとされています。
猫ちゃんもぐるぐると目が回って、とても不安な気持ちになっているかもしれませんね。
この時期は無理に動かさず、静かで薄暗い環境を作って安静にさせてあげることが一番のケアになります。

  • テレビの音など、大きな音を出さないようにする
  • ふらついてもぶつからないよう、周りに柔らかい毛布やクッションを置く
  • ベッドから落ちないように、床の低い位置に寝床を作る

このように環境を整えてあげると、2〜3日もすれば症状が少しずつゆるやかになってくることが多いとされていますよ。

2. 食欲低下と脱水を防ぐ食事サポート

前庭疾患で一番気をつけたいのが、吐き気による食欲不振と脱水症状なんですね。
特に高齢猫ちゃんの場合は、前庭疾患そのものよりも、ごはんが食べられずに衰弱してしまうことが寿命に影響しやすいと言われています。

  • お水やごはんのお皿を顔の高さに合わせてあげる(首を下げずに食べられるように台に乗せる)
  • 匂いの強いウェットフードを人肌に少し温めて出してみる
  • 自力で飲めない時は、シリンジでお水を少しずつ口元に垂らしてあげる

どうしても食べられない日や吐いてしまう日が続くようなら、我慢せずに獣医さんで吐き気止めをもらったり、脱水改善の点滴をしてもらったり頼ってみてくださいね。

3. 斜頸が残っても安全に暮らせる環境づくり

2〜3週間、長くて3〜4週間ほど経つと、眼振などの多くの症状は治まるとされています。
ただ、中には「斜頸(頭の傾き)」だけが少し後遺症として残ってしまう猫ちゃんもいると言われています。
「首が傾いたままで可哀想…」と思ってしまうかもしれませんが、猫ちゃんはとても順応性が高いので、首が傾いていても上手にバランスを取って日常生活を送れるようになることが多いんですよ。

  • フローリングには滑り止めのカーペットやマットを敷く
  • お気に入りの高い場所には、上がりやすいようにステップやスロープをつける
  • トイレは出入りしやすい縁の低いものに変える

このように少しの工夫をしてあげるだけで、転倒による怪我を防いで長生きをサポートしてあげることができますね。

焦らずゆっくり回復を見守りましょう

ここまで、猫の前庭疾患と寿命の関係や、おうちでのケアについてお話ししてきました。
「前庭疾患=寿命が短い」というわけではなく、特発性のものであれば、しっかりサポートしてあげることでまた元気な姿を見せてくれる可能性が高いということがお分かりいただけたかと思います。
明確な予防法はなく、時には再発することもあると言われていますが、その都度適切なケアをしてあげれば、毎回回復するケースも多いとされています。
慢性的な重い病気というより、「ときどき発作的に起こるけれど、命には直結しないことも多い状態」として、病気と上手にお付き合いしながら大切な時間を守っていきたいですよね。

愛猫の一番の特効薬はあなたの愛情です

突然の愛猫の異変に、飼い主さん自身もパニックになってしまったかもしれません。
でも、あなたがこうして一生懸命調べて、愛猫のために何ができるかを考えている時点で、あなたは本当に素晴らしい飼い主さんですよ。
猫ちゃんは飼い主さんの不安な気持ちを敏感に感じ取ると言われています。
だからこそ、まずはあなたが「大丈夫だよ、一緒に頑張ろうね」と優しく声をかけて、安心させてあげてくださいね。
あなたの温かい手でそっと撫でてあげることが、猫ちゃんにとって一番の安心感につながるはずです。
焦らず、猫ちゃんのペースに合わせて、ゆっくりと回復の道のりを一緒に歩んでいってあげてくださいね。